※本記事は、2025年12月時点の現地取材をもとに作成しています。
ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)の中で、最も規模が大きく、利用者も多いのがターミナル3(T3)である。国際線・国内線の拠点として機能するだけでなく、フードホールや各種サービスも集約されており、NAIAの中でも性格が大きく異なるターミナルだ。
他のターミナルと大きく異なる点として、搭乗予定がなくても立ち入れるエリアが非常に広いことが挙げられる。チェックインカウンター周辺は立ち入り制限があるものの、それ以外の多くのエリアは一般開放されており、到着・出発に関係なく利用できる。
本記事では、NAIAターミナル3(T3)のフロア構成を軸に、到着後のGrab導線、バス・タクシー事情、荷物預かり、フードホールの現状までを、実際の現地取材をもとに整理している。初めてNAIAを利用する旅行者や、深夜到着・乗り継ぎでターミナル3を使う人に向けた内容だ。
NAIA全体のターミナル構成については、こちらの記事で整理している。
フロア構成(5フロア)

ターミナル3は縦方向に5つのフロアで構成されている。
- LA(Level A):到着階/配車アプリ(Grab・Joyrideなど)ピックアップ
- LB(Level B):パーキング(新たなフードホールにもアクセス可)
- LC(Level C):パーキング
- LD(Level D):出発フロア(チェックイン・保安検査)
- LE(Level E):フードホール(※一部改装工事中)
実際に旅行者が利用するのは、LA(到着)、LD(出発)、LE(飲食)くらい。構成自体は一般的な空港と変わらないが、到着後すぐに判断を迫られず、移動手段や食事、現金確保といった必要な要素が集約されており、旅行準備を整えやすい余裕がある点はターミナル3ならではだと感じた。
なお、到着階と出発階の間のLevel 2(Mezzanine/出発・到着の中間階)では改装工事が進み新たにフードホールが拡張され、食事・休憩環境が強化された。詳細についてはLevel 2(Mezzanine)のフードホールを現地取材にて整理されている。。
※空港全体の最新情報については、ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)公式サイトもあわせて参照されたい。
到着後の移動|Grabを中心とした配車導線
近年、NAIA T3で最も大きく変化したポイントが配車アプリ(Grab)利用時の導線である。
入国審査・手荷物受け取りを終えて到着ロビーに出ると、視界に入るのは大量のGrab案内表示。

柱、床、壁、スタンドと、あらゆる場所に掲示があり、半ば「Grabを使え」と言わんばかりの情報量である。
Grabピックアップポイントまで実際に移動してみた
入国審査 → 荷物受け取り → 到着ロビー

表示に従って進み駐車場へ

駐車場入口を通過。それにしても案内が多い

Level AのGrab Pick-upに到着。到着ロビーから100m強くらいか。


案内に従って進むと、到着フロア横にある立体駐車場内の専用ピックアップエリアへと誘導される。途中の分岐にも細かい表示が設置されており、初めてでも迷うことはない。
実際、マニラ市内への移動手段としては、料金の明瞭さ・利便性の面でGrabが最も使いやすい選択肢であると感じた。
Grabピックアップポイントの実態

Grabのピックアップエリアは、屋根付きの駐車場フロア内に整然と配置されている。エリアごとに番号(例:A9など)が振られ、車両も管理されている。
現地掲示では、
- Grabアプリ経由での予約を推奨
- ブース経由予約による安全性・保険適用
- 非公式・直接交渉(コントラタ)への注意喚起
といった内容が強調されている。実際、空港側としてもGrabを公式な移動手段として強く位置付けていることが読み取れる。
初めてマニラに到着した場合でも、大きな空港でありながら、Grabに乗るまでの手順が分断されておらず、到着後の行動を組み立てやすい点は、T3の大きな強みである。
空港タクシー(黄色タクシー)について

到着階をそのまま外に出ると、黄色いエアポートタクシー乗り場も設置されている。
従来、NAIA発のタクシーはトラブルが多かった経緯があるが、現在は距離ごとの料金目安が掲示されるなど、一定の改善が見られる。

とはいえ、
- 料金が事前に確定しない
- ドライバーとのやり取りが必要
といった点を考えると、総合的な使いやすさではGrabに軍配が上がるというのが筆者の率直な感想だ。
Grabが使えない場合や、通信環境が整っていない場合の代替手段としては有効だが、初めてのマニラ滞在であればGrabを選ぶ方が安心感は高い。
バス移動|UBE Expressとクラーク方面P2P
UBE Express(市内各方面)

NAIAからマニラ市内へ向かうバスとして、UBE Express(P2Pバス)が運行されている。到着フロアを出て、Bay 12付近に案内ブースが設置されている。


※時刻は変更されることがある
ルート・時刻表はウェブ上で確認可能で、ホテル方面へのアクセス手段として利用価値がある。
路線や最新の運行状況については、UBE Express公式サイトでの確認が確実。
クラーク・アンヘレス方面(GENESIS)


NAIAからアンヘレス/クラーク国際空港へ直行するP2Pバス(GENESIS)も24時間運行されている。同じくBay 12周辺からアクセス可能。
クラーク空港乗り継ぎやアンヘレス滞在を予定している旅行者には、非常に便利な選択肢である。
利用詳細はアンヘレス/クラークP2Pバスガイドの記事で確認できる。
荷物預かり(Baggage Storage)

到着階(LA)には24時間営業の荷物預かり所がある。
到着ロビーに出て右方向(Grabピックアップと同じ方向)へ進むと、「Baggage Storage」の案内表示があり、Luggage & Moreという店舗に到達する。

料金は明確に掲示されており、短時間・長時間いずれにも対応。

深夜帯でも利用できる点は、乗り継ぎや空港泊の際に重宝する。
フードホールの改装と今後の拡張
T3では現在、フードホールの大規模改装が進行中である。
以前はやや目立たず、通過されがちだったフードエリアが、Level 2(到着階と出発階の中間)で店舗数・規模ともに大きく拡張されている。取材時点では一部未開業の区画もあったが、全体としてはかなり充実した印象を受けた。
今後、LEフロア(改装中エリア)が本格稼働すれば、ターミナル3は 「空港+小規模ショッピングモール」のような存在になっていく可能性が高い。
成田空港の「AIRPORT MALL」に近い方向性を感じさせる。

ATM・両替事情・SIM購入
- ATM:主に到着フロア(LA)に集中
- 両替所:到着フロアに大手銀行系あり
- SIM:到着フロアにブースあり
注意点として、両替所は深夜帯に閉まる。深夜到着の場合は、到着後すぐにATMで必要最低限の現金を引き出し、市内で改めて両替する流れが現実的である。
到着フロアには、SIM販売ブースも設置されているが、空港で購入すべきかどうかは状況によって判断が分かれる。マニラ空港(NAIA)でSIMは買うべきかを整理した記事
他ターミナルへの移動

T3からT1・T2への移動には、無料シャトルバスが利用できる。乗り継ぎが必要な場合でも、タクシーを使わずに移動可能だ。とくに深夜帯はタクシー移動よりも確実性が高く、T3を起点にターミナルを移動できる点は、NAIA全体の中でも利便性が高い。
詳細はNAIAターミナル間シャトルバス記事で確認できる。
ラウンジ・空港泊について
- ラウンジ:旅行者向けラウンジは制限エリア内に設置
- 空港泊:T3での空港泊は可能(詳細はNAIA第3ターミナル空港泊記事で解説)
到着階や出発階には深夜でも人の気配があり、空港泊を検討する場合でも不安を感じにくいターミナルである。
まとめ|NAIA T3は「使いやすい」ターミナルへ進化中
NAIAターミナル3は、
- 規模が大きくても、到着後の行動を整理しやすい構造
- Grabを中心とした分かりやすい移動導線
- 24時間利用可能で、空港泊にも対応できる環境
- 拡張が進むフードホールと付帯サービス
といった点から、NAIAの中でも最も完成度の高いターミナルと言える。
今後の改装が完了すれば、移動手段・食事・荷物の扱いまでを同じターミナル内で完結できる空港として、さらに存在感を高めていくだろう。



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