BTSサラデーン駅は、ビジネス街シーロムの中心にありながら、時間帯によって街の性格が大きく変わる。朝から昼にかけてはオフィスワーカーの動線として機能し、夜になると歓楽街へ向かう人の流れに切り替わる。同じ場所に立っていても、時間が違えば見える景色も、集まる人もまったく違う。この“切り替わり”こそが、サラデーン駅の最大の特徴だ。
本記事では、BTSサラデーン駅とMRTシーロム駅の関係性を軸に、シーロムという街が昼と夜でどう変わるのかを、現地目線で整理する。初めてこのエリアを訪れる人でも、「昼のシーロム」「夜のシーロム」「公園側」という三つの方向を意識するだけで、この駅がどう使われているかを掴みやすい。
サラデーン駅で昼と夜の人の流れが分かれるのは、働く街・遊ぶ街・日常に戻る場所という、性格の異なる行き先が同じ駅の周囲に集まっているからだ。
同じ通路でも、時間帯で意味が変わる──サラデーンの人の流れ
MRTからBTSへの乗り換えは直結しており、案内表示に従えば迷うことはない。
地下のMRTシーロム駅から高架のサラデーン駅へ上がる構造のため距離はあるが、動線自体は一本だ。

ただしこの通路は、時間帯によって役割が変わる。
朝は出社するオフィスワーカーの流れが支配し、昼になるとランチや外出へ向かう人がにじみ出る。
そして夜になると、流れは仕事から解放される方向へと切り替わっていく。ここを行き交う人々は同じではないが、時間帯ごとに求められる役割ははっきりと切り替わる。

同じ場所・同じ通路でありながら、「出社」「業務」「解放」という一日のリズムが、そのまま表れる。サラデーン駅は、単なる乗換駅ではなく、人の行き先が切り替わる場所だ。
昼のシーロム|内向きに回るビジネス街

平日の昼、シーロムは強く内向きの街になる。駅から流れ出る人の多くは観光客ではなく、このエリアで働くオフィスワーカーだ。

昼休みの時間帯になると、サラデーン駅周辺にはランチ目的の人が一斉ににじみ出る。露店や飲食店は活気づくが、その動きは遠くへ広がらず、あくまで仕事の延長線上にとどまる。
昼のシーロムは、外から人を呼び込む街ではない。中で働く人のために回る街であり、サラデーン駅はその出入口として機能している。
夜のシーロム|外から人が流れ込む街
日が落ちると、街の向きは一気に反転する。サラデーン駅に集まる人の層は変わり、今度は外からシーロムへ向かう流れが目立ち始める。
目的は明確だ。パッポン周辺のバーやナイトスポットを目指す観光客で、外国人の比率も一気に高まる。昼間の「働く街」の面影は薄れ、夜のシーロムは完全に外向きの街になる。

この切り替わりを受け止めているのが、サラデーン駅だ。昼は内側の人を支え、夜は外から来る人を受け入れる。同じ駅でありながら、求められる役割はまったく違う。
シーロム周辺は、昼と夜で表情が変わるエリアだ。タニヤ周辺も、日中は日本食店や雑多な商店が並ぶ“街の通り”として機能する一方、夜になると雰囲気は一気に変わる。


さらに近年はCentral Park Bangkokのような新しい商業施設も加わり、サラデーン周辺は歓楽街一辺倒ではなく、夜でも用途の異なる人の流れが重なり合うエリアになりつつある。

ルンピニー公園という“時間帯をまたぐ出口”

サラデーン駅の近くにあるルンピニー公園は、特定の時間帯だけに使われる場所ではない。朝は運動や散歩、昼は休憩や待ち合わせ、夕方から夜にかけては仕事終わりのリフレッシュ。一日を通して人の流れが途切れない。
シーロム側が時間帯によって人の目的を大きく変えるのに対し、ルンピニー公園へ向かう人の動きは、朝も昼も夜も目的がぶれない。運動、休憩、散歩と形は違っても、向いているのは常に「日常側」だ。
サラデーン駅は、街のテンポに乗る人と、そこから一歩外れる人を、同時に受け止めている。
だからこの駅は、歓楽街への入口にもなり、日常へ戻る出口にもなる。時間帯を限定しないこの逃げ道が、サラデーン駅のバランスを保っている。
サラデーン駅はどんな人に向くか

観光客や新しい商業施設も増えているが、ここでは滞在と移動の両方が自然に混ざり合う。その結果、昼と夜で人の向かう方向がはっきりと入れ替わる。
昼は、シーロムで働く人の出入口として機能し
夜は、外から来る人を歓楽街へ受け入れる
そして常に、ルンピニー公園という“日常側”の逃げ道を持つ
こうした多面性を受け止めているのが、サラデーン駅とシーロム駅が直結するこの場所だ。
アソークが「交差する駅」、サイアムが「集まる駅」だとすれば、サラデーンは人の行き先が分かれる駅だ。シーロムという街を、仕事として使うのか、夜として使うのか、あるいは一歩引いて日常に戻るのか。その判断をする場所として、この駅はちょうどいい。


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