※本記事は2025年8月に加筆修正しています。
空港泊に向いている空港なのか? 実際にNAIA(マニラ・ニノイ・アキノ国際空港)で深夜を過ごしてみた記録。
海外旅行ではよくある話だが、安いチケットを選ぶと現地に着くのは深夜──日付が変わる頃ということも珍しくない。慣れない土地での深夜移動は不安だし、そもそもホテルを取っても滞在時間が短すぎて高い部屋はもったいない。そんなときに一つの選択肢になるのが「空港にそのまま滞在してしまう」という方法。
今回は、NAIA(マニラ空港)のターミナル3で実際に空港泊してみた様子をまとめる。
マニラ空港・ターミナル3で一夜を過ごすという選択肢
NAIAに限った話ではないが、ある程度大きな国際空港では空港自体が完全に閉まることは少ない。
深夜帯は確かに静かにはなるが、フライトがある限りは人もスタッフもいるし、明かりも点いている。
マニラの街中を深夜に荷物を持って歩くのは、安全面でおすすめしづらい。
その点、空港の中は明るく、警備員もしっかりと巡回していて、滞在するには十分な安心感がある。
実際、私が空港で過ごしたときにも、夜を明かそうとしている人は意外と多かった。
「朝になったら街に出よう」「次のフライトまでここで待とう」という人が集まってくる場所──それが空港泊の現場だ。
深夜に寝られるのか?──現地で見た風景

23時を過ぎると、空港内にあったジョリビーを含む飲食店は次々と閉まりはじめる。日付が変わるころにはチェックインカウンターもいったん静まり返り、フロア全体の空気が落ち着いてくる。空調はしっかり効いているし、照明も明るい。ただ、タクシー配車カウンターや両替所もこの時間帯は閉まっているようだった。
そんな中で目についたのが、椅子や床に横になっている人たちの姿。出発フロアやレストランフロアのあちこちに人が散らばり、それぞれのスタイルで仮眠を取っている。特に床に寝る人は、敷き物やマットを持参して場所を確保している。旅慣れた人なのだろう。
聞いた話では、翌朝早い便に備えて前日のうちから空港に来ておくという人も多いらしい。朝3時や4時にホテルをチェックアウトするぐらいなら、最初から空港に泊まったほうが合理的。移動のリスクも減るし、宿代も浮く。そういう考え方もある。深夜に空港到着の場合も同様に朝まで滞在することが可能だ。
明け方の空港──4時の“起床タイム”に注意
警備面では安心とはいえ、床や椅子で寝る以上、貴重品だけは肌身離さずが鉄則だ。実際、バッグを枕にして寝ている人や、抱え込んで仮眠している人も多かった。意外と管理が甘い人も見かけたが、何かあってからでは遅い。空港内だからといって油断しないこと。
それと、午前4時になると、空港スタッフが軽く声をかけながら寝ている人を起こして回っていた。
おそらく「深夜の仮眠は黙認しているけれど、朝には起きてね」という方針なのだろう。
もちろん4時を過ぎても寝ている人はまだいたが、日本人の感覚としては寝続けるには気まずさもある時間帯になってくる。
空が白みはじめ、出発カウンターが再び活気を帯びてくる時間。
このあたりで一区切りして、身支度をして朝食でも取るのが良さそうだ。

空港泊は「選択肢のひとつ」──でも正直しんどい
深夜便を選んだ時点である程度の覚悟はできているだろうが、正直なところ、眠りの質はかなり悪い。
床で寝ても多少寝れたという程度だし、椅子も硬い。翌日は身体が重い。
とはいえ、宿代を節約できて、安全な場所で朝を迎えられるという意味では、十分にアリな選択だ。
特に、バックパッカーやLCC派の旅人には馴染みやすいスタイルかもしれない。
ちなみに、空港内にはかつて「The Wings Transit Lounge」という有料ラウンジがあり、仮眠スペースやシャワー、軽食の提供など、しっかり休みたい人向けの選択肢もあった。
ただ、残念ながらこのラウンジは2025年3月をもって営業を終了しており、現時点では再開の予定は未定とのこと(※公式Facebookより)。
もし復活すれば、空港泊がぐっと快適になるはずなので、今後の動向に期待したい。
最後に:マニラ空港泊のメリット・デメリットまとめ
メリット | デメリット |
---|---|
宿代がかからない | 快適ではない |
安全面では安心できる | 眠りが浅い/疲れが取れにくい |
朝からすぐ動ける | 仮眠設備が乏しい |
空港泊は万人におすすめできるわけではないが、旅のスタイルや予算に合わせて柔軟に選べる選択肢の一つ。旅程を立てる際の参考になれば幸いである。