パタヤの朝は、静かに始まる。
賑やかな歓楽街として知られるパタヤ。しかし、朝の時間帯にこの街を歩いたことがあるだろうか。先日、カオプラタムナックの早朝散策を記事にしたが、今回はその続編として「パタヤビーチの朝」を体験取材してきた。7月某日、朝6時から8時までの2時間、ビーチを北から南へ歩いてみると、夜の顔とはまったく異なるパタヤの姿がそこにあった。

朝6時:街灯が灯るなか、静けさと潮風が迎えてくれる
朝6時。明るくなってきたもののまだ太陽は姿を見せておらず、街灯がぼんやりとビーチを照らしている。雲は多かったが風が心地よく、波打ち際の音が耳に心地よい。まさに“南国の朝”というべき空気が漂っていた。

この時間帯はランナーやウォーキングをする人たちがちらほら。タイ人、欧米人と国籍は様々だ。一人で黙々と走る人、カップルで手を取り合いながら散歩する人、皆それぞれの朝時間を楽しんでいる様子だった。

夜は歓楽街として有名なソイ6も、朝は驚くほど静か。あまりの静けさに本当に同じ場所かと驚いた。

ゴミも散らかっておらず、清掃員が丁寧に道路や歩道、砂浜の清掃を行っていた。観光客向けの売り子たちはすでにビーチチェアやパラソルの設営を始めており、一日の始まりを感じさせる光景だった。


パタヤビーチ北側では、柔軟運動から釣り人まで様々な“朝活”
ビーチの北側に進むと、体操や筋トレを行う人たちの姿が目に入る。ビーチロードの端はランニングの出発点として人気のようだ。さらに進むと漁船のような小舟が並び、少し高台になった堤防のような場所にたどり着く。


このエリアは視界が開けており、釣り人、瞑想する人、犬の散歩をする人など、より地元の生活感が漂っている。風が気持ちよく、6時45分時点の気温は26度。日差しもないため、散策には最適な時間帯だ。

朝7時:太陽が昇り、鳩が主役に。ビーチは徐々に活気を帯びる
7時を過ぎると太陽が姿を現し、少しずつ気温も上がってくる。この時間のパタヤビーチの主役は間違いなく…鳩。砂浜で何かをつつく鳩の集団と、無数の鳩の足跡が印象的だった。

海にはスピードボートがいくつも停泊しており、観光客らしき人々が乗船準備をしていた。どうやらマリンアクティビティやラン島行きのツアーの出発がこの時間から始まるようだ。

ビーチでは黄色いブイで囲われた遊泳エリアが設置されている。とはいえ、この時間帯に実際に泳いでいる人は見かけなかった。遊泳よりも散歩やアクティビティに適した時間帯と言える。
セントラルロード付近では、エアロビ隊が盛り上がる
歩道沿いでは、エアロビクスに励む15人ほどの女性たちの姿が。音楽に合わせて体を動かすその光景は、健康志向なパタヤの一面を象徴していた。しかもこのアクティビティ、かなり本格的。リズムに乗って動き回る様子は、早朝から“熱い”パタヤを感じさせてくれる。

歩道沿いには等間隔でベンチが設置されており、歩き疲れたときの休憩にはちょうど良い。木陰もあるため、涼みながら海を眺めるのも良い時間の使い方だ。

朝8時:南側エリアへ。日差しが強まり「朝活終了」の合図
南側へ歩いていくと、有名な「パタヤサイン」が近づく。この辺りのビーチも静かで、朝日が映える美しい光景が広がっていた。相変わらず鳩は多いが、これもまたパタヤらしい朝の風景である。


☀️ 朝8時を過ぎたら紫外線に注意
パタヤビーチでは朝8時を過ぎたあたりから日差しが一気に強まり、体感気温も上昇してくる。
この日の気温は28度とそれほど高くはないものの、肌にジリジリとした感覚を覚えるようになった。
南国の紫外線は強烈で、短時間でも日焼けのリスクが高い。

朝の休憩におすすめしたい2つのスポット
朝の散策で一汗かいたら、涼しい場所で一息つきたくなるもの。パタヤビーチ沿いにはまだ営業していない店舗も多いが、早朝から営業している良質なスポットもある。
今回の散策中に実際に立ち寄ってみて、「ここは使える」と感じた2軒を紹介したい。
① BF Cafe Jianna(ビーチ北側/The Beach Frontホテル1階)
ビーチ北側に位置する「The Beach Front」ホテルの1階にあるBF Cafe Jiannaは、朝7時から営業している数少ないレストランカフェのひとつ。
オープンエアの席は海を望むロケーションで、南国らしい開放感を満喫できる。

今回注文したブレックファストセット(190バーツ)は、パン・ベーコン・卵・サラダ・コーヒー付きと内容もしっかり。
ビーチを眺めながら朝食をとる体験は、ちょっとした「リゾート感のご褒美」。観光客向けに見えるが、実際には静かで落ち着いた雰囲気なので、一人でも入りやすい。
散策後にのんびり朝時間を過ごすにはうってつけの場所である。

ロケーションはこちら。パタヤビーチロードの北と中央の間くらい。
② セブンイレブン(ビーチ南側/2階テラス付き店舗)
一方、もっとカジュアルに、サクッと休みたい人におすすめなのがこちら。
パタヤビーチ南側にあるセブンイレブンには、2階がイートイン+テラス席になっている店舗がある。このセブンイレブンは、ショッピングモール『BAYWALK Residence』の1階に入っており、観光客にとってもアクセスしやすいロケーションにある。

朝7時から利用可能で、冷房の効いた室内席のほか、海を見渡せるテラス席も完備。飲み物は水10バーツ、カフェラテ40〜50バーツと通常のコンビニ価格そのまま。観光地でも「安く、静かに、眺め良く」休憩できるのが最大の魅力。
特に朝の時間帯は空いていることが多く、穴場感が強い。
筆者はここでカフェラテを片手に、通り過ぎるランナーを眺めながら、ひと休み。安上がりだが、想像以上に心地よい時間だった。

この2軒は、いずれも朝7時から利用可能というのが大きなポイント。
早朝のパタヤビーチを歩くなら、こうしたスポットを休憩ポイントとして組み込んでおくと、散策そのものがより快適で充実したものになる。
朝のパタヤビーチを歩くという選択
昼や夜のパタヤは賑やかで刺激的だが、朝はまったく別の顔を見せてくれる。静けさ、爽やかさ、そしてそこに集う健康志向な人々の姿は、まさに癒しの時間だ。
早起きが苦手な人も、滞在中一度はこの“別世界”を味わってみてほしい。一人でも、家族連れでも安心して楽しめるのが朝のパタヤビーチの魅力。リゾート感あふれるこの場所で、ちょっとだけ自分の時間を取り戻してみてはいかがだろうか。
【まとめ】パタヤビーチの朝は、思ったよりずっと気持ちいい
- 朝6〜8時は人も少なくて静か。涼しくて歩きやすい。
- 走る人、散歩するカップル、釣り人、エアロビ隊まで、朝活してる人がいっぱい。
- 清掃も行き届いていて、ビーチは想像以上にクリーン。
- 朝から開いてる穴場カフェやイートインもあるので、散歩後の休憩にも困らない。
- 7時半を過ぎると日差しが強くなるので、早めのスタートがおすすめ。
正直、パタヤ=夜遊びの街ってイメージが強いかもしれない。でも、朝のパタヤビーチはまったくの別世界。静かで、爽やかで、ちょっとだけ得した気分になれる。
いつもより1時間だけ早起きして、海沿いを歩いてみてほしい。
南国の風と静けさに包まれながら、気持ちよく1日をスタートできるはずだ。
このブログ「東南アジア生活手帖」では、筆者自身の東南アジア滞在経験をもとに、現地のリアルな情報を発信しています。
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▶ 前回の散策記事:「カオプラタムナックの朝散策」もあわせてどうぞ