ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)は、いわゆる「マニラ空港」として知られる空港である。マニラ首都圏の玄関口として機能するフィリピン最大級の空港だ。一方で、初めて利用する旅行者にとっては、ターミナル構成が把握しづらい空港として語られることも多い。
現在のNAIAは、3つの旅客ターミナル(T1・T2・T3)で運用されており、ターミナルごとに役割や使い勝手が大きく異なる。
本記事では、初めてNAIAを利用する旅行者や、NAIAの構造・移動を紹介する立場の方に向けて、ターミナル構成と移動時の判断ポイントを整理しています。
本記事の内容は、実際にNAIAを複数回利用した経験と、各ターミナルを個別に取材した記事をベースに整理しています。
NAIAのターミナル構成(T1 / T2 / T3 / T4)
まずは全体像を一覧で把握しておきたい。
NAIAは、かつて4つのターミナルで構成されていた空港であるが、現在旅客運用されているのはターミナル1(T1)、ターミナル2(T2)、ターミナル3(T3)の3つである。
旧ターミナル4(T4)は2024年に閉鎖されており、現行の旅客動線を考える上では、T1〜T3で十分。
- ターミナル1(T1):国際線中心
- ターミナル2(T2):フィリピン航空(PAL)中心
- ターミナル3(T3):最大規模・国際線+国内線
- ターミナル4(T4):2024年に閉鎖(現在は旅客運用なし)
それぞれのターミナルは徒歩圏ではなく、移動には車両(シャトルバス・タクシー等)を前提とする配置になっている。
ターミナル1(T1)|国際線の主要ゲートウェイ
ターミナル1(T1)は、ニノイ・アキノ国際空港における主要な国際線ターミナルである。1982年の開業以来、アジア、中東、欧米方面を結ぶ多くの外国航空会社がT1便を運航しており、国際線利用者の重要な玄関口となっている。現在はフィリピン航空(Philippine Airlines)の国際線もT1に集約されており、主要フルサービスキャリアの発着拠点としての役割が強い。
一方で、T1はNAIA内で最も古い旅客ターミナルの一つであり、施設全体の規模や設備面では、近年整備されたT3と比べると簡素。ターミナル1は過去に、混雑や老朽化から「使いにくい」「治安面が不安」といった印象を持たれることが多かった。近年は改修や運用改善が進んでいるものの、T3と比べると施設面で差を感じる場面はある。
なお、NAIAではT3も国際線を扱っているため、すべての国際線がT1発着というわけではない点は把握しておきたい。
ターミナル2(T2)|国内線中心、複数航空会社が集約されたターミナル
ターミナル2(T2)は、かつてはフィリピン航空(Philippine Airlines/PAL)専用に近い構成のターミナルとして知られていたが、現在は国内線ターミナルとして再編されている。
PALおよびPAL Expressに加え、旧ターミナル4(T4)で運航していたAirAsia Philippines(国内線)、Royal Air、AirSWIFT、CebGo、Sunlight Expressなどの国内線航空会社が集約されているのが特徴である。
施設構造はシンプルで、T1ほどの老朽感はないものの、NAIA最大規模のT3と比べると商業施設や滞在型設備は限られている。空港で長時間過ごすというより、国内線に搭乗するための実用的なターミナルという性格が強い。
国際線からの乗り継ぎで他ターミナル(特にT3)との移動が発生する場合は、時間と動線に余裕を持った行動が求められる。
ターミナル3(T3)|NAIAで最も利用価値が高いターミナル
ターミナル3は、NAIAの中で最も規模が大きく、国際線・国内線・LCCを幅広く扱うターミナルである。多くの航空会社や乗り継ぎ需要が集約されており、フードホール、カフェ、ラウンジなどの設備もまとまっている。
深夜帯でも人の往来があり、空港泊や長時間滞在を余儀なくされるケースでは、安心度はT3が一番。NAIAを語る上で、T3はまず押さえておきたいターミナルだ。
T3については、以下の個別ガイドで詳しく扱っている。
到着・乗り継ぎ時に知っておくべき考え方
NAIAを利用する際に重要なのは、ターミナルごとに立地や動線が大きく異なる空港であるという前提を持つことである。
ターミナル間の距離は離れており、乗り継ぎや移動には想定以上に時間がかかることがある。特に、国際線と国内線をまたぐ乗り継ぎでは、ターミナル移動の有無を事前に確認しておきたい。なお、航空会社ごとの発着ターミナルや運用状況は変更されることがあるため、最新情報についてはNAIA公式案内の確認を前提としたい。
具体的な移動方法や所要時間については、以下の実用ガイドで詳しく解説している。
マニラ空港は危険?治安が不安な人へ
「マニラ空港は治安が悪い」「特にターミナル1は不安」
そうした声を見かけて、利用をためらう人も少なくない。
実際、NAIAは過去に「世界最悪の空港」と評されたことがあり、
とくにターミナル1(T1)には長年、悪評が付きまとってきた。
ただし、その評価がどこから来たのか、
そして現在のT1はどうなのかは、分けて考える必要がある。
NAIAターミナル1は本当に安全なのか?過去の悪評と現在の実情を実体験から検証
なお、空港を出た後のマニラ市内の治安や、
実際に注意すべきエリアについては、
【マニラを歩いて検証した治安・危険エリアの実体験レポート】にまとめている。
NAIAでよく読まれている実用ガイド
NAIAの利用目的に応じて、以下の記事を参照すると全体像の理解がしやすくなる。
- 空港でSIMを購入するか迷っている場合
→ 到着後に購入する必要があるかどうかを含めて整理
→ NAIAでのSIM購入ガイド - ターミナル間を移動する場合
→ 到着ターミナルと出発ターミナルが異なる場合
→ NAIAターミナル間シャトルバス解説 - 深夜に空港で過ごす必要がある場合
→ 深夜到着・早朝出発で空港滞在が発生する場合
→ ターミナル3の空港泊体験記 - クラーク/アンヘレス方面へ向かう場合
→ マニラ市内を経由せず郊外へ移動したい場合
→ 空港発P2Pバスによる郊外移動ガイド
まとめ|NAIAは「全体像を把握してから使う空港」
NAIAは、事前情報なしで使いやすい空港ではない。しかし、ターミナル構成と役割をはじめに把握しておけば、必要以上に迷うことは避けられる。
本記事は、NAIA全体の構造を理解するための入口である。各ターミナルの詳細や実際の動き方については、目的に応じて個別ガイドを参照してほしい。



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