成田空港は東京都心から距離があり、早朝便では始発電車に乗ってもチェックインに間に合わないことがある。前泊用のホテルを予約するか、空港で朝まで過ごすか迷う場面もあるだろう。
今回は翌朝の便に乗るため、23時過ぎから第2・第3ターミナルで無料で仮眠できる場所や、深夜営業の店舗を確認した。最終的には第3ターミナル1階の到着ロビーで、午前1時頃から朝まで過ごした。
成田空港は空港泊できる|T2・T3は一部エリアが24時間利用可能
成田空港の第2・第3ターミナルは、深夜も一般エリアに滞在できる。23時を過ぎると店舗は次々にシャッターを下ろすが、人間まで外へ追い出されるわけではない。
ベンチやフードコートには、早朝便を待ちながら横になる旅行者があちこちにいる。空港泊組は珍しい存在ではないようだ。
寝られる場所は両ターミナルにあるため、翌朝利用するターミナルに泊まればよい。第3ターミナル1階の到着ロビーは照明がやや暗い。ただし、誰も知らない穴場ではなく、午前1時頃にはすでに同業者が何人も横になっていた。
なお、成田空港公式の夜間・早朝案内によると、第1ターミナルも1階と地下1階は24時間利用でき、地下1階のローソンは24時間営業している。本記事では、深夜に現地確認した第2・第3ターミナルに絞って紹介する。3つのターミナルの違いや降車駅については、成田空港完全ガイド|ターミナル構成・駅・移動方法にまとめている。
第2・第3ターミナルで無料仮眠できる場所
寝床を探して第2・第3ターミナルを一通り歩いたが、寝られる場所は一か所に限られていない。どちらにもベンチや休憩スペースがあり、すでに横になっている人が多い。秘密の寝床を探して空港内をさまよう必要はない。
以下はいずれも一般エリアにある無料のベンチや休憩スペースで、予約せずに利用できる。
| ターミナル | 主な候補 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第2ターミナル | 1階到着ロビー 2階休憩スペース | ベンチが各所にある 全体的に照明は明るい |
| 第3ターミナル | 1階到着ロビー 2階出発ロビー・フードコート | 1階はやや暗い 2階は座席数が多い |
横になれるベンチから埋まっていく。充電設備との距離や照明の明るさを見ながら、空いている場所を選ぶことになる。
第2ターミナルで寝られる場所
第2ターミナルで24時間滞在できるのは、地下1階・1階・2階である。3階の国際線出発ロビーと4階は0時に閉まり、再び入れるのは午前5時からだ。

1階|到着ロビー周辺
1階の到着ロビーには複数のベンチがあり、横になっている人が多い。到着便が落ち着いた後は静かになるが、照明は一晩中ついている。暗い場所を期待すると少々まぶしい。

2階|ベンチ・休憩スペース
2階にはベンチや木製の休憩スペースがまとまっている。23時50分頃には、荷物を脇に置いて休む人や、ベンチで横になる人が多くいた。
照明は明るいが、1階と並んで無料で仮眠できる場所の候補になる。

同じ2階には24時間営業のエアポートカフェNODOKAもある。料金を払えば、個室や芝生エリア、シャワーを利用できる。
地下1階|鉄道駅・9h方面
地下1階も24時間通行できるが、中心は鉄道駅の改札や通路である。無料で寝る場所を探すなら1階か2階、カプセルホテルを使うなら地下1階から9hへ向かう。
第2ターミナルの日中のフロア構成やチェックイン、到着後の動線は成田空港第2ターミナルガイドで写真付きで紹介している。
第3ターミナルで寝られる場所
第3ターミナルは1階と2階のどちらも24時間利用できる。第2ターミナルのように深夜閉鎖されるフロアはなく、空港泊する人は両階に分散していた。
空港泊していたのは若い個人旅行者や少人数のグループが中心。中国語や韓国語もよく聞こえ、東アジア方面を行き来する旅行者が目立つ。大きな荷物やバックパックを抱えて朝を待つ人も多く、ベンチで寝ていても浮くような雰囲気ではない。
2階|出発ロビー・フードコート
2階には出発ロビーのベンチに加え、フードコートのテーブル席がある。座席数は多く、椅子に座ったまま眠る人や、テーブルに伏せて朝を待つ人もいた。
深夜はほとんどの店舗が閉まるが、照明は明るく、清掃も行われる。暗さよりも座席数を優先するなら候補になる。

1階|到着ロビー
1階の到着ロビーにもベンチが並び、深夜には横になっている人が何人もいた。館内が暗くなるわけではないが、2階と比べると照明が少し落ち着いている。

今回はターミナル内を一通り確認した後、午前1時頃からこのフロアで寝ることにした。極上の寝床というほどではないが、空港のベンチとしては役目を果たしてくれた。

成田空港で24時間営業するコンビニ・飲食店
空港泊で寝床の次に重要なのが食料である。深夜の成田空港では牛丼チェーンがなかなか頼もしい。
| ターミナル | 店舗 | 場所 | 営業時間 |
|---|---|---|---|
| 第2 | 吉野家 | 2階 | 24時間 |
| 第3 | ローソン | 2階 | 24時間 |
| 第3 | 松屋 | 2階フードコート | 24時間 |
第2ターミナル|深夜は吉野家が営業
第2ターミナルでは2階の吉野家が24時間営業している。温かい食事を取りたい場合はここが最も確実である。成田空港公式

地下1階のファミリーマートは7時から22時30分までの営業。深夜は利用できない。

地下1階のセブンイレブンは取材時に改装休業中だった。営業状況が変わりやすいため、ここだけは公式店舗情報で確認した方がよい。
4階のエアポートモールにもセブンイレブンがあるが24時間営業ではない。そもそも4階自体が夜間閉鎖されるため、深夜の買い物には使えない。
第3ターミナル|ローソンと松屋が24時間営業
第3ターミナルでは2階のローソンとフードコートの松屋が24時間営業している。飲み物や軽食ならローソン、温かい食事なら松屋と、深夜でも食料には困らない。


充電・Wi-Fi・トイレは深夜も使える
第2・第3ターミナルにはコンセントや充電スペースがある。深夜に回った範囲では、第2ターミナルは使用中の場所が多く、第3ターミナルの方が空いている電源を見つけやすかった。
第3ターミナルでは2階フードコートのテーブル付近や1階到着ロビーに充電設備がある。寝る場所の近くで電源を確保したい人には、T3の方が余裕がある。

館内では無料Wi-Fiの「FreeWiFi-NARITA」を利用できる。深夜も接続でき、メールや動画サイトの閲覧には問題なかった。

トイレも24時間利用できる。電源・Wi-Fi・トイレ。空港泊の三種の神器はそろっている。あとは眠れるかどうか、ベンチとの相性と本人の耐久力次第である。
成田空港の仮眠・シャワー施設|9h(ナインアワーズ)・NODOKA
空港のベンチで眠れるかどうかは体力よりも才能に近い。自信がなければ、第2ターミナル周辺には24時間営業の有料施設が2か所ある。
9h nine hours 成田空港|カプセルで眠れる
9h nine hours 成田空港は第2ターミナルと鉄道駅のコンコースを挟んだ第2駐車場ビル地下1階にある。駅の改札付近から屋外に出ずに行ける。

24時間受付でカプセル宿泊のほか、デイユースとシャワーのみの利用にも対応している。デイユースは最初の1時間1,500円、以降1時間ごとに500円。シャワーのみなら1時間1,000円である。
宿泊料金は日によって変わる。最新の料金や空室状況は成田空港公式の施設案内から確認できる。
NODOKA|個室・芝生・シャワーがある
エアポートカフェNODOKAは第2ターミナル本館2階にある24時間営業の有料休憩施設。オープン席や個室のほか、靴を脱いで過ごせる芝生エリア、フリードリンク、男女別シャワールームを備えている。


ホテルではないためカプセルベッドはないが、ベンチを避けて数時間休みたい場合には使える。料金は滞在時間や席の種類によって異なる。成田空港公式の施設案内から最新情報を確認できる。
完全に横になって眠りたいなら9h、短時間の休憩や作業も兼ねるならNODOKA、費用をかけたくなければ空港のベンチ。眠りへの課金額に応じて選択肢が分かれている。
第2・第3ターミナル間は深夜も徒歩で移動できる
第2・第3ターミナル間には無料連絡バスがあるが、深夜に運行を終えた後は徒歩で移動する。通路は夜間も利用できるため、泊まる場所を探して両ターミナルを行き来することが可能である。

実際の動線や所要時間は成田空港第3ターミナルの徒歩ルートで写真付きで紹介している。
成田空港での空港泊は安全?深夜の治安と警備
夜通し館内には空港泊の旅行者が多く、完全に人気がなくなることはなかった。警備員も定期的に巡回しており、第3ターミナルでは警備ロボットが館内を走っている。
筆者が朝まで滞在した範囲では声をかけられたり、トラブルを見かけたりすることはなかった。ただし、眠っている間の荷物や貴重品は自己管理である。本人は眠れても、荷物まで無防備に寝かせるわけにはいかない。

空港泊の翌朝、第2ターミナルからバンコク便へ
第3ターミナル1階で午前1時頃に横になり、5時半頃に起きた。4時間半ほど仮眠できたため体調は普通だったが、当然ながら睡眠は足りていない。

起床後は徒歩通路で第2ターミナルへ戻り、8時55分発のバンコク便に搭乗した。機内ではすぐに眠った。朝まで過ごすことはできても、十分に休めるわけではない。それが空港泊である。


