ハノイからハイフォンへは、鉄道が1日4本運行している。所要時間は約2時間30〜45分で、ハイフォンまでゆったり移動できる路線だ。
今回はハノイ駅15時15分発の列車に実際に乗車し、チケットの購入方法や車内設備、車窓の様子を取材した。
2026年5月時点の情報をもとに、料金や時刻表、乗車の流れ、ハイフォン駅到着まで写真付きで紹介する。
ハノイ~ハイフォン鉄道とは
ハノイ~ハイフォン鉄道は、ベトナム北部のハノイ駅とハイフォン駅を結ぶ在来線である。列車はハノイ市街をゆっくり進み、トレインストリートやロンビエン橋を通過した後、北部の田園地帯を抜けてハイフォンへ向かう。
車内はエアコン付きの指定席で、コンセントや車内販売も利用できる。移動時間そのものを楽しみたい人には、鉄道という選択肢も十分魅力的だ。
ハノイ~ハイフォン鉄道の時刻表・料金
ハノイ~ハイフォン間の旅客列車は、現在1日4本運行している。2026年5月に利用した際のソフトシート指定席の料金は165,000ドン。
| 列車 | ハノイ発 | ハイフォン着 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| HP1 | 6:00 | 8:25 | 2時間25分 |
| LP3 | 9:25 | 12:00 | 2時間35分 |
| LP5 | 15:15 | 18:00 | 2時間45分 |
| LP7 | 18:10 | 20:55 | 2時間45分 |
※時刻や運賃は変更される場合があるためベトナム国鉄公式サイトでも最新情報を確認しておきたい。
朝からハイフォンやカットバ島を観光する場合は、6時発のHP1が便利。今回は15時15分発のLP5列車を利用したが、チケットの購入方法や車内設備などは他の列車でも基本的に共通だ。
ハノイ駅でチケットを購入

今回は出発約40分前にハノイ駅へ到着し、窓口で当日券を購入した。平日の15時15分発だったため窓口は空いており、待ち時間はほとんどなかった。

行き先を伝えてパスポートを提示すると、簡単な英語のやり取りだけで購入は完了した。今回はエアコン付きのソフトシート指定席を165,000ドン(2026年5月時点)で購入している。

今回利用した窓口では支払いは現金のみ。前に並んでいた外国人旅行者はクレジットカードで支払おうとしていたが利用できず、戸惑う様子も見られた。現地で購入する場合は、ベトナムドンを用意しておきたい。
クレジットカードで事前に予約・決済したい場合は、12Goなどの予約サイトを利用する方法もある。料金は少し高くなるものの、日本からでも手配を済ませられる。
改札から乗車までの流れ
チケットを購入後は待合スペースで時間を過ごし、出発約30分前になると改札が始まる。改札口では係員が直接チケットを確認しており、乗車する列車のタイミングに合わせてホームへ案内される。

ホームへ入ると、今回乗車するハイフォン行き列車がすでに停車していた。平日の15時台ということもあり、ホームは落ち着いており、出発を待つ乗客が車内へ乗り込んでいく。

ホームには、今回乗車した列車とは別に、高級観光列車「The Hanoi Train」の車両も停車していた。外観や車内設備が一般列車とは大きく異なり、ホームでもひときわ目を引く存在だった。

今回利用した列車は一般的な旅客列車だが、外観や車内は想像していたより新しく、出発前の時点でも清掃が行き届いていた。
15時15分になると列車は定刻どおりハノイ駅を出発した。
車内の様子
車内へ入ると、想像していたより新しく、清潔感がある。以前利用したハノイ~ニンビン間の列車と比べても設備は新しく、約2時間半の移動でも十分過ごせる車内だ。

座席は2列+2列の4列配置で、全席指定のソフトシートとなっている。座り心地は一般的な高速バスと大きく変わらないが、足元にはある程度余裕があり窮屈さは感じなかった。

座席の窓側下部にはコンセントが設置されており、スマートフォンなどを充電できる。荷物は頭上のラックへ置くことができ、バックパックであれば問題なく収納できた。
車内にはトイレも設置されている。実際に利用してみたが、清掃状態は良く、一般的な列車のトイレとして十分利用できるレベルだった。


出発後しばらくすると、無料のペットボトルの水が配られる。車内販売もあり、飲み物や菓子のほか、ハイフォン名物のバインミーカイ(Bánh mì cay)も販売。


価格は35,000ドン。パテを挟んだ細長いパンが10本入っており、一人では食べ切るのが大変な量だった。軽食といっても数人でシェアしたくなるボリュームである。
ハノイからニンビンへ向かう列車にも実際に乗車している。車内設備や乗車の流れを比較したい場合はハノイ~ニンビン鉄道の記事も参考にしてほしい。
車窓から見える景色
ハノイ駅を出発すると、列車はすぐにはスピードを上げない。市街地では時速6〜8kmほどでゆっくり進み、歩く人と変わらないような速度で住宅街を抜けていく。

しばらくすると、線路沿いに並ぶ有名なトレインストリートへ。カフェの目の前を列車が通過し、多くの観光客がカメラを構えていた。近年は安全対策の強化が話題になった場所だが、今回訪れた2026年5月時点では営業が続いており、列車通過時には多くの人でにぎわっていた。


約10分でロンビエン駅へ到着する。

ロンビエン駅を出ると列車はハノイを代表するロンビエン橋を渡る。100年以上の歴史を持つ橋で、取材時には補修工事が進められていた。橋の上では市街地とは一変し、広い紅河(ホン川)が目の前に広がる。橋は全長が長く、景色を眺められる時間が意外と長い。この路線でも特に見応えのある車窓だった。


ザーラム駅を過ぎると、市街地を離れて列車は徐々に速度を上げる。列車に表示される案内では約70km/hまで加速し、その後は田園地帯や川沿いの風景が続く。北部らしいのどかな景色が広がり、高速道路を走るバスとは違った旅を楽しめる。


ハイフォン市内へ近づくと、再び速度を落とし、住宅のすぐ横を縫うように進む。

窓の外には民家や生活の様子が広がり、線路は家々のすぐ脇を通っていく。家の中が見えるほど距離が近く、日本ではまず見られない光景だ。
ハイフォン駅に到着
18時ごろ、列車はほぼ定刻どおりハイフォン駅へ到着した。

到着後、日本との違いを最も感じたのはホームから駅舎までの移動風景。


乗客はそのまま線路内を歩いて駅出口へ向かい、線路を横断しながら駅舎へ進んでいく。日本では立ち入りが禁止されている空間だけに、少し驚く光景だ。
駅前へ出ると、列車の到着に合わせてGrabやGreen SM、タクシーのドライバーが待機している。市内中心部やホテルへ向かう場合は、配車アプリを利用すると料金が分かりやすくていい。
カットバ島へ向かう場合は、駅から車でケーブルカー乗り場やフェリーターミナルへ向かう方法のほか、少し歩いた場所からバスを利用することもできる。移動方法や乗り継ぎについては、別記事で詳しく紹介する。
駅舎はフランス植民地時代の面影を残す建物で、ハイフォンを代表する歴史的な駅の一つである。

ハノイ~ハイフォンは鉄道がおすすめ?
ハノイ~ハイフォン間は、高速バスも鉄道も所要時間や料金に大きな差はない。移動手段として考えるなら本数が多いバスの方が予定は組みやすい。
一方、鉄道は車窓を楽しみながら移動できるのが魅力だ。ハノイ市街をゆっくり走り、トレインストリートやロンビエン橋を通過した後、北部の田園風景が広がる約2時間半は、バスにはない楽しみがある。
旧市街に近いロンビエン駅から乗車することもできるが、この場合はトレインストリートを通過した後からの乗車になる。鉄道ならではの景色を楽しみたいなら、ハノイ駅から乗車する方がおすすめだ。
ハイフォン駅からカットバ島へ向かう場合は、ケーブルカーやフェリーを利用するルートがある。実際に移動した様子は別記事で詳しく紹介する。


