夜の街・パタヤ?実は朝こそが魅力的である
パタヤと聞けば、ビーチリゾートと歓楽街。特に夜の賑わいは世界的にも有名であり、ナイトライフの街という印象を持たれることが多い。だが、本当に魅力的なのは「朝」だと筆者は声を大にして伝えたい。
昼は暑さが厳しく、日中の外出は消耗が激しい。一方で早朝のパタヤには涼しい空気と静けさがあり、心身ともにリフレッシュできる時間が流れている。本記事では、筆者がパタヤで4年間生活する中で見つけた、朝にこそ訪れたい散策コースを紹介する。
パタヤビーチで始まる一日──午前6時の静寂

午前6時過ぎ、パタヤビーチ。タイは年間を通して日の出が早く、6時にはすでに空が明るくなっている。観光客の姿はまだ少なく、空いたビーチ沿いをランニングやウォーキングする外国人の姿が見られる。波音と朝の光が交差する中で、最高の一日のスタートが切れる時間帯。
朝のウォーキングストリートは“異世界”


夜の喧騒で知られるウォーキングストリートも、朝には別の顔を見せる…と思いきや、6時過ぎでもまだ夜の残り香が漂っている。クラブ帰りらしき若者たちや、路上パフォーマーが姿を見せるなど、眠らない通りという名に恥じない。ただし、この時間にはローカルの屋台が並び始め、夜とは異なる生活の息吹も感じられる。
バリハイ桟橋で朝日を浴びる


ウォーキングストリートを抜け、バリハイ桟橋へ。近年、桟橋には屋根が設置され、日中の暑さをしのぎやすくなっている。朝日が海面を照らす光景は神秘的であり、観光地にありがちな喧騒もなく、ゆったりとした時間が流れる。観光船もまだ静かに停泊しており、非日常感がより際立つ。
有名なパタヤシティサインと謎の廃墟

桟橋の背後には「PATTAYA CITY」の巨大サインがそびえる。その左手に見える未完成の高層ビルが目を引く。この建物は建築許可に関わる不正問題により工事が中断され、長年放置されたままになっている。撤去には莫大な費用がかかるため、今なおそのまま。景観上も安全面でも改善が望まれるスポットである。
坂道を上り、カオプラタムナックの丘へ

バリハイ灯台付近から坂を登ると、カオプラタムナックの丘に入る。ここは公園として整備されており、歩道も車道も清潔で安全。斜度はやや急だが、早朝であれば日差しも柔らかく、風も心地よい。昼間は暑く、夜は暗く危険なため、この時間帯がベストと言える。


パタヤ湾を見下ろす絶景カフェと青空ジム


丘の中腹には「Pattaya City Coffee」という展望カフェがあり、パタヤ湾を一望できる絶景ポイントとなっている。営業は朝8時からのため、早朝は閉まっているが、カフェ前のスペースから眺める景色だけでも十分に価値がある。
隣接する青空ジムでは、懸垂バーや健康器具が並び、地元民が黙々と運動している様子も見られる。これぞ“朝活”と呼ぶにふさわしい光景だ。

有名撮影スポット「パタヤシティサイン」の真下へ

数分歩けば、パタヤシティサインの真下まで行くことができる。ここは徒歩でもアクセス可能だが、多くの観光客が車やバイクタクシーを利用して訪れている。タイ人・外国人問わず、記念撮影をする姿が絶えない人気スポットだ。
急坂を登り切れば、頂上に広がるパノラマ

丘の最上部までは、急な坂道が続く。徒歩で約10分。頂上にたどり着くと、パタヤ湾全体を見渡せるパノラマが広がる。

ここには「カオプラバートパタヤ」という仏教寺院があり、お土産店も並ぶ。

Grabタクシーを使えばパタヤ中心部から10~15分・120バーツ程度で到着可能。体力に自信がなければ無理せず利用するのが賢明。ぜひ訪れたい場所。
実は健康都市?トレイルラン大会も開催

このカオプラタムナックは、実はトレイルランの聖地でもある。2025年8月3日には「Pattaya Trail」ランニングイベントが開催予定で、5kmと10kmのコースが用意されている。筆者も昨年参加したが、急坂が多くハードな面もあるが、森の中を駆け巡る体験ができるのが面白い。先日のパタヤマラソンと合わせて、近年のパタヤは“健康志向の都市”としても注目されつつある。
※2025年8月3日追記 大会のレポートはこちらで紹介。
▶【関連記事】パタヤトレイル2025現地レポ|観光地を駆け抜ける注目の大会
また、今月開催された「パタヤマラソン2025」の体験記も執筆している。レース当日の様子や給水事情など、興味がある方はこちらも参照してほしい。
→ 【体験記】パタヤマラソン2025 完走レポートと参加情報
最後にもう一カ所、ワットプラヤイで締めくくる
せっかくここまで来たなら、もうひとつの見どころ「ワットプラヤイ(ビッグブッダ)」にも足を延ばしたい。再び登坂となるが、徒歩15分ほど。山道とは違い、整備された階段と歩道が続く。


金色に輝く仏像や建築物は壮観であり、まるでチェンマイのドイステープを彷彿とさせる美しさ。観光としての満足感も高い場所である。欧米系の観光客が朝早くから複数グループ訪れていた。流行っているのか、朝活。
まとめ:パタヤの本当の顔は、朝に現れる

今回紹介したルートは、約2時間で回れる朝の健康散策コースである。騒がしい夜のパタヤとはまったく異なる表情を持つこの時間帯こそ、本来の自然美と文化、健康的な魅力を体感できる瞬間であると断言できる。
今後も、他の“朝のパタヤ”シリーズを順次紹介していく予定。
パタヤには、もうひとつ見逃せない朝活スポットが存在する。
海沿いを静かに歩くパタヤビーチの朝散策は、高台とは異なる開放感と爽やかさが味わえるコースである。
▶【関連記事】 【現地レポ】パタヤビーチの朝は別世界|静けさと朝活のすすめ(2025年版)
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