タンソンニャット国際空港ガイド|ターミナル・アクセス・SIM・空港泊まとめ

ホーチミンの玄関口であるタンソンニャット国際空港(SGN)は、ベトナム南部最大の空港であり、国内線・国際線ともに便数が多いハブ空港である。本記事ではターミナルの使い分け、市内アクセス、SIMカード購入、空港での夜明かし(空港泊)までをまとめて紹介する。

空港の基本情報

タンソンニャット空港はホーチミン中心部(旧1区=ベンタン市場周辺)から北へおよそ7kmの場所に位置しており、市内中心部から非常に近い空港だ。渋滞がなければ車で20〜30分程度とアクセス性は高い。

現在のターミナル構成は次の通り。

  • T1ターミナル:ベトジェットなどの国内線が発着する旧来の国内線ターミナル
  • T2ターミナル:国際線ターミナル
  • T3ターミナル:T3ターミナルは2025年4月に正式オープンし、現在は主要国内線の多くがこちらに移管されている。ベトナム航空をはじめ主要キャリアがT3を拠点に運用中。

T3は年間2,000万人規模の国内線旅客をさばく設計で、チェックインカウンターや保安検査レーンが拡張され、待ち時間の短縮を狙った動線になっている。空港コードは「SGN」。

空港内には両替所、ATM、無料Wi-Fi、飲食店、土産物店など、旅行者向けの基本設備が一通りそろっている。
ただし深夜帯は店舗の営業は基本終了しており、到着が遅い時間になる場合は軽食や飲み物を事前に用意しておくと安心だ。
全体としては設備が整理されており、乗り継ぎや短時間の待機にも不便は少ない。

新しいT3ターミナルはT1・T2とは別棟になっており、徒歩での移動は距離がある。
各ターミナル間は無料シャトルバスが運行しているため、乗り継ぎや送迎の際はこのシャトルを利用するのが基本となる。

空港から市内へのアクセス

タンソンニャット空港からホーチミン中心部(1区・ドンコイ通り周辺など)へ移動する一般的な方法は以下の通り。

  • タクシー(メーター制の公式タクシー会社)
  • 配車アプリ(Grab / Be / Xanh SMなど)
  • 路線バス・エアポートバス

昼間は中心部まで20〜30分、タクシー料金はおおむね数十万VND台。深夜は客引きが強めなので注意したい。

詳しい乗り方・おすすめの手段・おおよその料金帯・夜間到着時の注意点は、別記事で整理している。

詳細はこちら:[タンソンニャット空港から市内へのアクセスガイド]

市内から空港へのアクセス

ホーチミンは時間帯によって渋滞が極端に重い都市。特に夕方〜夜の帰宅ラッシュに空港へ向かう場合は、市内出発が遅れるとチェックイン締切に間に合わないリスクがある。

  • Grabなどの配車アプリで事前予約しておくと安心
  • 早朝便の場合は、まだ道路が空いている時間帯に余裕をもって動くのが基本
  • T1 / T2 / T3 いずれのターミナルに行くのかをドライバーに正しく伝えることが重要(国内線の多くはT1ではなくT3発着に変更されているため、ターミナル指定ミスに注意)

詳細はこちら:[ホーチミン市内からタンソンニャット空港へのアクセスガイド]

空港内のサービスとSIMカード事情

到着ロビーには両替所、ATM、飲食店に加え、ベトナム主要キャリア(Viettel / Mobifone / Vinaphoneなど)のSIM販売カウンターが並んでいる。店員がその場で開通設定まで行ってくれるため、着いてすぐネットを確保したい旅行者にはもっとも手早い選択肢だ。

一方で、市内の携帯ショップや家電量販系の店舗では同等プランがやや安いこともある。ただし英語対応は空港のほうが圧倒的にスムーズ。

詳細ガイド:タンソンニャット空港でのSIM購入方法
※販売カウンターの場所、相場料金、パスポート提示の流れをまとめている。

空港泊・夜間滞在は可能か

早朝フライトや深夜到着の場合、空港内で一晩やり過ごしたいケースは少なくない。タンソンニャット空港では、ベンチや待機エリアで夜を明かすこと自体は現実的。

  • 明かりが比較的強いエリアと、やや静かなエリアがある
  • 防犯上の理由から荷物管理には注意が必要
  • 24時間開いているエリア、明るいスペースをうまく使うと、ある程度安全・明るい場所で休める。トイレやWi-Fiも利用可。
  • 新しいT3側は設備が新しく、国内線利用者の深夜待機スポットとしても注目されている

実際に夜間滞在してみたレポート:タンソンニャット空港T3で空港泊してみた
※深夜の雰囲気、ベンチの場所、治安感などを写真つきで解説。

ホーチミンのメトロ1号線と空港アクセスの今

ホーチミン・メトロ1号線(ベンタン市場〜スオイティエン方面)は、2024年12月に商業運行を開始し、現在は地下区間から高架区間まで14駅が営業中。

この路線はホーチミン中心部と東側(Thu Duc市方面)を結ぶ都市鉄道であり、観光スポット(オペラハウス駅、ベンタン市場エリアなど)や東側の新興エリアへの移動手段として実用化している。

ただし現時点では、ホーチミンメトロはタンソンニャット空港にはまだ接続していない。空港アクセスとしては引き続き車・バスがメイン。将来的に空港直結の都市鉄道や、空港までの別路線が検討されているという報道はあるものの、現状は未接続である。

空港にはまだ接続していないが、中心部の移動や観光には便利な路線である。
詳しくはホーチミン・メトロ1号線まとめガイドを参照。

今後の動き:ロンタイン国際空港という「もう一つのホーチミンの空の玄関」

ホーチミン都市圏では、ドンナイ省ロンタイン地区に巨大な新空港「ロンタイン国際空港」が建設中である。ホーチミン中心部からおよそ40kmの位置に計画されており、最終的には年間1億人規模の旅客処理能力を想定するベトナム最大級のハブ空港になる計画である。

現在の計画では、まず第1期を完成させ、2025年12月に試験飛行(技術飛行)を行い、その後2026年前半に商用便の受け入れを始める段階的スタートが示されている。

ロンタイン空港が本格稼働すると、ホーチミンシティの国際線の80%がそちらへ移され、タンソンニャット空港はベトナム南部の国内・近距離拠点としての役割がより明確になる見通し、という説明がベトナム当局から繰り返されている。

つまり旅行者目線では、「ホーチミン行きの国際線がどの空港に到着するのか」「乗り継ぎがどちら経由になるのか」を今後は確認する必要がある時代に入ってくる。日本でいえば、成田空港と羽田空港のように国際・国内の役割を分担する構図になる見込みだ。

ロンタイン国際空港の完成予想図(出典:Viet Nam News)
出典:Viet Nam News(2025年10月7日報道)

ロンタイン国際空港関連参考:

まとめ

タンソンニャット国際空港は、市内中心部から近く、タクシーや配車アプリで気軽に行き来できる使いやすい空港だ。一方でバスでのアクセスも安く、充実してきている。ターミナルはT1・T2だけでなく新しいT3も稼働しており、自分の便がどのターミナル発着なのかをあらかじめ把握しておくことが非常に重要になってきている。

実用情報は、下の個別の記事でさらに詳しく解説する。

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