【最新版】ハノイメトロ3号線・Kim Ma駅ガイド|ハノイ中心部西側の主要商業エリアに誕生する地下駅

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※本記事は、筆者が2025年11月に現地を取材した内容をもとに構成しています。
Kim Ma(キンマー)駅は現在工事中で、2027年開業予定です。

ハノイ中心部の西側に広がる Kim Ma(キンマー)エリア。その中心部で大規模工事が続いているのが、ハノイメトロ3号線の延伸区間に位置するKim Ma駅だ。現在はCau Giay駅が終点となっており、Kim Ma駅はその先に続く 「高架から地下へ切り替わる最初の駅」 として建設が進む重要ポイントだ。

周辺には Lotte Center Hanoi(公式サイト) や Vinhomes Metropolis、Hanoi Daewoo Hotel などハノイ西側を象徴するランドマークが集まり、日本人街として知られるLinh Lang(リンラン)エリアもほど近い。
交通量の多いキンマー通りを横断する巨大な工事区画を前にすると、2027年予定の開業に向けて街が大きく変わろうとしていることがよく分かる。

本記事では、「高架→地下」切替ポイントの現況、工事エリアの様子、そしてKim Ma駅周辺がなぜ特別なのかを現地取材ベースで解説していく。

※Kim Ma駅は、現在2027年の開業が計画されている延伸区間に含まれる。ただし、工事の進捗状況によってはスケジュールが変更となる可能性もあり、今後の公式発表(ハノイメトロ公式サイト)を待つ必要がある。

高架から地下へ切り替わるKim Ma駅の“転換ポイント”

Kim Ma(キンマー)駅は、現在終点となっているCau Giay駅の先に続く延伸区間において、高架区間と地下区間が接続する最初の駅である。Nhon〜Cau Giayまでの高架区間に対し、Kim Maから先はCat Linh、Van Mieu、Hanoi駅へと続く地下区間となる計画で、路線全体の構造上の転換点となっている。

ハノイメトロ3号線、Cau Giay方面からKim Ma方向へ高さを下げていく高架区間。奥にはロッテセンター、Daewooホテルが見える。
徐々に高度を下げる高架区間。奥にはロッテタワー、デーウーホテルが見える。

Lotte・Metropolisが集まるKim Ma周辺の商業エリア

Kim Ma駅が位置するのは、Kim Mã通りとĐào Tấn(ダオタン)通りが交わるBa Đình(バーディン)区・Ngọc Khánh(ゴックカイン)エリアの中心部。
ここはハノイ中心部でも商業施設やオフィス、日本人街が近接する密度の高いエリアだ。

周辺には、

  • Lotte Center Hanoi(ロッテセンター)
  • Vinhomes Metropolis(ビンホームズ・メトロポリス):高層住宅・オフィスの複合エリア
  • Vincom Center Metropolis:同敷地内にある大型ショッピングモール
  • Hanoi Daewoo Hotel(デーウーホテル)
  • Handiresco Tower(日本企業が多く入居)
  • Linh Lang(リンラン)日本人街エリア
  • 在ベトナム日本大使館

と、ハノイ中心部のランドマークが集結している。近くにはNgọc Khánh湖もあり、周辺は徒歩で移動しやすい落ち着いた街並みが広がる。

徒歩圏としてはやや広いが、リンラン通り周辺は日本人街として人気が高く、在住者やビジネス客にも馴染みのエリアである。

Kim Ma駅工事エリア(Đào Tấn通り側)とVinhomes Metropolis周辺の様子
大規模な工事が続き、周辺のMetropolisとも近接している。

ロッテ周辺はほぼ変わらず、Kim Ma通りだけが大きく変化

Kim Ma駅の建設が進むキンマー通りでは、地下駅工事に伴い道路幅の縮小や交通規制が続いている。一方で、近接するĐào Tấn(ダオタン)通り側のLotte Center Hanoiは工事の直接的な影響を受けておらず、周辺の歩道やランドスケープは従来通り整備されているエリア である。

なお、筆者の手元には2018年当時のロッテセンター(Đào Tấn通り側)の写真が残っている。メトロ工事の影響を受けないエリアのため、現在の外観と大きな違いはないが、参考として掲載しておく。

2018年のロッテセンターハノイとクリスマスツリーのイルミネーション。
ロッテセンターハノイの2018年時点の夜間ビュー

Kim Ma駅前は地下駅建設で大規模工事が続く

現在のKim Ma駅は、工事フェンスに完全に囲まれた巨大な建設現場となっている。
夜間も照明が灯され、クレーンが稼働する様子が見えるほどで、ハノイ駅と並んで延伸区間の“核心工事”と言える規模感だ。

中心エリアでは、地下駅本体の掘削と構造体の設置が進んでいるようで、通りかかっただけでもスケールの大きさが伝わる。

夜間ライトアップされたKim Ma駅工事現場の俯瞰写真
夜間も作業が行われるKim Ma駅工事現場。
Kim Ma駅の地上掘削エリアと工事フェンスの様子(昼間)
Kim Ma駅本体の掘削が続く地上部。フェンスで囲まれている。

キンマー通り(Kim Mã通り)は工事で道幅縮小が長期化

もともとKim Mã通りはハノイ中心部でも屈指の交通量を誇る主要道路。
しかしメトロ工事の影響で、ここ数年は車線が半分近くに狭まり、慢性的な渋滞の発生ポイントになっている。

バス・タクシー・バイクがひしめく中、さらに工事車両が出入りするため、
取材時(2025年11月)もピーク時間帯は大幅な混雑が確認できた。

交通量の多いKim Ma通りとメトロ工事による車線縮小の様子
工事により道幅が狭まったKim Ma通り。混雑が発生しやすい。

Cau Giay側の高架区間はほぼ完成段階

Cau Giay方面からKim Ma方向へ進むと、高架橋が徐々に高さを下げながらキンマー通りに向かう構造が確認できる。取材時点では、この高架区間の土木構造物はほぼ完成したように見え、残る工事は駅本体や地下区間の内部設備が中心とみられる。高架構造そのものはすでに形が整っており、Kim Ma駅周辺の地上部工事との連携が進んでいる印象である。

Kim Ma駅方面に向かうハノイメトロ3号線の高架橋(Cau Giay側)
Cau Giay駅近くの高架区間
Cau Giay駅から降りてくるハノイメトロ3号線(Cau Giay側)。隣のトゥーレ湖と並ぶ。
地下鉄区間手前の区間。トゥーレ湖との風景が映える。

開業後はKim Maから旧市街地へのアクセスが改善

Cau Giay → Kim Ma(地下化) → Cat Linh → Van Mieu → Hanoi駅
という延伸区間が開業すれば、西側の新興エリアと旧市街地がダイレクトに結ばれることになる。

特にKim Ma は、

  • Lotte / Vinhomes / Daewoo が並ぶ商業中心地
  • 日本人街(Linh Lang)へのアクセス拠点
  • Đào Tấn・Kim Mã の交通の要衝

という位置づけのため、開業後の利用者は確実に多い駅と予想される。旧市街地へのアクセスが大きく改善され、Cat LinhやVan Mieu方面への移動もスムーズになる見込みだ。

現時点では広大な工事現場だが、2027年の開業時には、ハノイ中心部の西側に広がるKim Maエリアを代表する“地下駅の新拠点” へと姿を変えるはずだ。

まとめ:Ba Đình区に位置するKim Ma駅の要点

Kim Ma駅は、
「高架→地下」の切替地点 × 商業中心地 × 日本人街の近接エリア
という、3号線の中でも非常に特徴的な位置付けにある。Ba Đình区の中心に位置する立地の強さもあり、周辺の大規模施設との結び付きも大きい。

工事の影響で道路事情は厳しいものの、周辺の高層ビル群やランドマークの多さから見ても、開業効果が最も大きい駅の一つと言えるだろう。

今後も工事進捗を追いながら、最新情報を更新していきたい。

詳しくは「ハノイメトロ3号線まとめ」でも延伸区間の情報を整理しています。

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