ハノイメトロ3号線の西部区間にあるMinh Khai〜Le Duc Thoの4駅は、観光地を巡る区間ではない。
その代わり、静かな郊外住宅地、産業エリア、ローカル市場、再開発が進む西ハノイの景色が短い区間にまとまっている。
この記事では、ハノイメトロ3号線の西部4駅を実際に歩きながら、Minh Khai・Phu Dien・Cau Dien・Le Duc Thoそれぞれの特徴と周辺の雰囲気を写真付きで紹介する。
Minh Khai駅|静かな郊外住宅地が広がる駅
鮮やかな青の柱が印象的で、郊外の静けさと緑が調和する駅。


ハノイメトロ3号線の西端に近いMinh Khai駅(ミンカイ駅)は、相対式ホームを採用した高架駅である。構造は他駅と同じだが、特徴的なのは濃い青色の柱と壁面デザイン。淡い色の基調の駅が多い3号線のなかで、ここだけは鮮やかな青が印象的。
他の駅では各ホームに安全確認のためのスタッフが常駐していたが、取材時のMinh Khai駅ではその姿が見られなかった。利用客が少ない郊外駅ゆえ、運用を簡素化している様子。乗降は1時間に数十人ほどで、列車の走行音だけが響く静かな駅だ。
駅周辺はまだ開発途上で、駅下の好立地には園芸ショップが並ぶ小さな商業エリアがある。

観葉植物や盆栽が所狭しと並び、まるで緑のトンネルを抜けるような雰囲気。

駅の反対側にはホンダ、三菱、日産などのバイクディーラーが集中しており、郊外らしいバイク天国の風景が広がる。
中心部の近代的な駅とは違い、ローカルな暮らしの延長線上にメトロが存在しているのがMinh Khai駅の魅力だ。
Phu Dien駅|工業団地と生活エリアが混ざる駅
小規模な工場や研究施設が点在し、生活と産業が混ざり合う。


ハノイメトロ3号線Phu Dien駅(フーディエン駅)は、カウザイ駅からおよそ10分の距離にある。淡い白緑色の柱と落ち着いた照明が印象的で、3号線の標準デザインを踏襲している。利用者はまだ少ないものの、ホームにはスタッフが常駐し、安全確認を丁寧に行う運用体制が保たれていた。
駅を降りると、そこにはハノイ中心部では見られないローカルな風景が広がる。高架下にはトラック型のドリアン販売屋台が止まり、果実を並べて商う姿が東南アジアらしい。

駅のすぐ近くには「Viện Hóa học Công nghiệp Việt Nam(ベトナム化学工業研究所)」の施設があり、その周囲には潤滑油メーカーや自動車整備工場、化学関連の企業などが点在している。

この一帯は軽工業や研究施設が集まる小規模な産業エリアになっており、都心部の住宅地とは異なる空気が流れている。
通り沿いにはPVOILの大規模ガソリンスタンドもあり、依然として車やバイクが主役のエリアであることを実感する。

Phu Dien駅周辺は、ハノイ郊外の生活と産業が交錯する現場。
観光地ではないが、西ハノイの日常を垣間見られる。
Cau Dien駅|ローカル市場がある生活エリアの駅
朝市のにぎわいが街を包む、地元の生活が息づく駅周辺。


Cau Dien駅(カウディエン駅)は、駅下を走る幹線「Cau Dien通り」に名を冠する駅。駅構造はPhu Dien駅と似ており、淡い緑色の柱が特徴。ホーム上からは遠くにCau Giay方面の高層ビル群を望むことができ、郊外から都心への境界線を感じることができる。
駅から徒歩5分ほどの場所には、地元住民で賑わうCau Dien市場がある。


早朝から多くの人が訪れ、野菜・肉・魚・衣料品・仏具・電化製品とあらゆる品が並ぶ。特に午前中の活気は圧倒的で、旧市街のドンスアン市場よりも生活感が強く、観光客の姿は見られない。
市場の周辺にはフォー店、ブンチャー店、理髪店などが軒を連ね、ローカルハノイの息遣いがそのまま残っている。
Cau Dien駅の東側に目を向けると、住宅街の向こうに高層マンション群が近づき、都市化の波が確実に迫っているのがわかる。

郊外の静けさのなかに発展の気配を感じさせる、ハノイメトロ3号線の象徴的な駅である。
Le Duc Tho駅|再開発が進む西ハノイの駅
大型開発が進み、高層ビルと新しい街並みが立ち上がりつつある。

ハノイメトロ3号線の西側エリアにあるLe Duc Tho駅は、沿線でも特に再開発が進む注目の地域だ。ホームの柱は黄土色で、他駅よりも温かみのある印象。駅から眺めると、周囲にはすでに高層ビルが立ち並び、都市の輪郭が現れ始めている。


駅前では、ハノイメトロ3号線沿線でも注目される「Hồ Tùng Mậu Tower」の建設が進行中。
約35階建ての複合高層ビルで、オフィス・ホテル・商業施設・サービスアパートメントを備える大型開発プロジェクトになっている(出典:diaoc123.com.vn)。
投資主体はTừ Liêm Import Export CompanyとCentral Capital社の合同で、運営には、ハノイ在住者にも馴染みのある高級サービスレジデンスブランドSomersetが参入予定。駅直結の立地にあり、完成すれば3号線沿線でも象徴的な西ハノイのランドマークとなる見込みだ。
周辺にはZEI PlazaやSunSquare、ハノイ商科大学(TMU)などの施設が立ち並び、街の景観はすでに高級住宅エリア感がある。


さらに、徒歩圏にはハノイ日本人学校があり、日本人駐在員の家族層にも人気がある。
駅南側のDuong Khue通りには、ローカル食堂とモダンなカフェが並び、若者や学生でにぎわう。

Le Duc Tho駅は、郊外というよりもすでに新都心の入り口。
ハノイの西側がどのように成長していくのかを象徴する、将来性豊かな駅である。
まとめ|ハノイメトロ3号線・西部4駅の違い
Minh KhaiからLe Duc Thoにかけての4駅は、いずれも観光より生活が中心の駅である。
そのぶん、街の変化がそのまま出ている区間でもある。
静かな住宅地が広がるMinh Khai、産業エリアのPhu Dien、ローカル色の強いCau Dien、再開発が進むLe Duc Tho。短い距離の中でここまで雰囲気が変わるのは、この区間のおもしろさだ。
ハノイメトロ3号線の西部区間は、まだ中心部ほどのにぎわいはない。
ただ、住宅や商業施設の建設は続いており、今後さらに街の姿が変わっていく可能性は高い。西ハノイの今を見たいなら、この4駅は十分歩く価値がある。
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