ハノイメトロ3号線の地下区間では、国鉄ハノイ駅前に整備される「ハノイ駅(Ga Ha Noi/S12)」の工事が続いている。
この駅は、ハノイメトロ3号線の地下区間の終点であり、国鉄ハノイ駅と接続する駅として2027年の開業に向け整備が進められている。
ハノイ駅前で進む地下鉄工事の現地の様子と進捗情報をもとに、2026年4月時点の工事状況を追う。

ハノイメトロ3号線ハノイ駅とはどんな場所か
ハノイメトロ3号線(Nhon~ハノイ駅)は、市中心部へ延びる最初の路線であり、ハノイ初の地下区間を含む都市鉄道路線として建設が進められている。
総延長は約12.5kmで、そのうち高架区間が約8.5km、地下区間が約4km。3号線はハノイ中心部の主要道路を東西に貫き、都心の渋滞緩和と公共交通ネットワーク強化を目的として整備されている。
3号線全体のルートや現在営業中の区間は、以下の記事でまとめている。
→ハノイメトロ3号線ガイド
この「ハノイ駅(Ga Ha Noi/S12)」は、ハノイ都市鉄道3号線の地下区間の終点であり、市中心部の主要ハブとして位置づけられている。国鉄ハノイ駅と直結する構造で、将来的には長距離鉄道と都市鉄道をつなぐ重要な結節点になる予定だ。
本区間の施工はハノイ都市鉄道管理委員会(MRB)のもと、Hyundai E&C – Ghella JVが担当しており、国際機関の支援を受けながら地下構造工事が進められている。
2026年時点の現地状況|工事はどこまで進んでいるか

現地では、国鉄ハノイ駅の正面に面するTran Hung Dao通り(チャンフンダオ通り)沿いで、引き続き大規模な工事が続いていた。
この通りはもともと交通量の多い幹線道路だが、工事エリアによって道幅は狭くなっている。それでも車やバイクの流れは維持されており、取材時に大きな渋滞は見られなかった。
特に目立つのは、工事エリアの広さ。
仮囲いは国鉄ハノイ駅前だけで終わらず、Tran Hung Dao通りを東に進んだ先まで続いており、2026年時点でも広い工区が維持されていた。見た目に劇的な変化はまだ薄いが、工区内には大型クレーンや重機が入り、工事は継続中だ。仮囲いのため内部全体は見えないものの、現場が止まっている様子はなかった。
今回の取材で確認できた変化として、地下へ降りる階段が見えた点は大きい。

これまで外からは分かりにくかった地下構造の一部が見えるようになっており、地上の囲いや重機だけでなく、地下駅の形が少しずつ具体化してきたことを感じさせる。
一方で、沿道のオフィスやカフェ、高層ビルの出入口付近では通路が確保され、周辺施設は通常どおり営業を続けている。日系企業も入るCapital Tower前でもビル前の工事は続いていたが、通行ルートは維持されており、工事と都市機能が並行して成り立っていた。

現地掲示から見えるハノイ駅工区の実態

工事現場のフェンスにはConstruction Site Information(工事情報掲示板)が設置されており、英語で以下の内容が記されていた。掲示内容からは、国際協力による長期的なプロジェクトであることがうかがえる。
- Project Name(事業名): Hanoi Pilot Light Metro Line 3 Project, CP03
- Site Section(施工区間): Garage & Crossover
- Main Contractor(主要施工者): Hyundai E&C – Ghella Joint Venture
- Supervision Consultant(監理会社): Systra S.A. – フランス
- Employer(発注者): Hanoi Metropolitan Railway Management Board (MRB)
- Duration(工期): 127ヶ月 (2017年2月~)
- Source of Finance(資金供与機関): Asian Development Bank (ADB)
施工区間にはGarage & Crossoverと記載されており、これは列車の折り返しや留置に使われる終端部構造を意味する。ハノイ駅工区が3号線全体の起終点として位置づけられていることを示すものだ。
関連ニュースと公表情報から見る最新の工事状況
2026年4月時点の報道では、ハノイメトロ3号線の地下区間全体の進捗は約63%とされている。トンネル掘削は完了しており、今後は設備工事などが焦点になる。(出典:Lao Dong)
開業時期については、地下区間を含む全線で2027年12月の商業運転開始が予定されている。2025年時点では、「2027年開業見通し」だったが、月まで含めたスケジュールが示された。この路線はこれまでも複数回延期されてきた経緯があり、実際の開業時期は今後の工事進度次第とみておいた方がよい。
※当初は2021年から2022年ごろの開業を目指していたが、トンネル掘削や資金調達の遅れなどにより計画はたびたび見直され、現在の目標時期に修正されている。
現在利用できる3号線の駅を見たい人は、先行開業区間のカウザイ(Cau Giay)駅の記事も参考になる。
→ カウザイ駅ガイド
市中心部で進む大規模地下工事の特徴と印象

ハノイ駅前の工事は、市中心部という制約の多い場所で進められている。国鉄駅や高層ビルが並ぶエリアだけに、限られた空間の中で工事が続いている点がこの区間の特徴だ。
Tran Hung Dao通りに面した国鉄ハノイ駅のクラシックな外観と、そのすぐ前で進む現代的な地下鉄工事の対比は印象的。歴史ある駅舎と新しい交通インフラが同じ風景に収まる光景は、ハノイの変化を象徴しているようにも見えた。
今後の見通し|全線開業はいつになるか
2026年4月時点で、ハノイメトロ3号線の地下区間はまだ工事中である。トンネル掘削は完了し、現地でも広い工区や重機、地下構造の一部を確認できた。
全線開業の時期については、地下区間を含めて2027年12月の商業運転開始が予定されている。ただし、この路線はこれまでも延期を重ねてきたため、実際の開業時期は今後の設備工事や試運転の進み方に左右される。
駅出入口や乗り換え導線が見える段階に入れば、ハノイ駅周辺の使い勝手もより具体的に見えてきそうだ。
ハノイメトロ3号線の全体像を知りたい人は、以下のまとめ記事もどうぞ。
→ ハノイメトロ3号線の路線・開業区間・駅情報まとめ



