ニンビン観光では、チャンアンやタムコックがよく知られている。そのタムコック周辺からさらに奥へ進むと、トゥンニャム(Thung Nham)という自然観光エリアがある。
Thung Nhamは、鳥園や洞窟、ボートを組み合わせて回る場所で、チャンアンやタムコックとは少し違う雰囲気がある。短時間で圧倒的な景色を次々と楽しむというより、自然の中を歩きながらゆっくり過ごすタイプの観光地である。歩いて散策するのが好きな人や、野鳥・自然エリアに興味がある人には相性がいい場所だと思う。
実際に訪れたときの写真をもとに、Thung Nhamへの行き方、入場料金、園内移動、Mermaid Cave、Bird Gardenのボート、鳥園エリアの様子を紹介する。

トゥンニャム(Thung Nham)とは|タムコック奥の自然観光エリア
Thung Nhamは、正式にはThung Nham Ecotourism Zoneと呼ばれている。入口で入場券を購入し、広い敷地の中を徒歩や電動カートで移動しながら、複数のスポットを回る観光施設だ。

園内には、水辺を歩いて進むMermaid Cave、湖上ボートで向かうBird Garden、池や山並みを見ながら歩ける庭園エリアなどがある。レストランや休憩スペースもあり、園内を歩きながらいくつかの見どころを回れる。
実際に歩いてみると、園内は結構広かった。電動カートはあるが、すべてを電動カートで回るのではなく、体力や暑さに合わせて徒歩と電動カートを使い分けるのがいい。
観光施設として整備されているが、派手な見せ場を次々に回る場所ではない。園内を歩きながら、洞窟やボート、鳥園をゆっくり見ていく場所という印象だった。
行き方|タムコック周辺から向かうのが基本
Thung Nhamは、タムコック中心部からさらに奥へ進んだ場所にある。少し距離があるため、タクシー、Grab、バイク、ツアー車両などで移動するのが一般的だ。タムコック中心部からは車やバイクで15〜20分ほど。
ニンビン駅から直接向かうこともできるが、Thung Nhamはタムコックやビックドン寺方面の奥にある。タムコックに宿泊している場合は、宿から車やバイクで奥へ進めばよい。半日ほど時間があれば、Thung Nhamまで足を延ばせる。
入口とチケット購入の流れ

到着すると、まず入口より前にあるチケットカウンターで入場券を購入し入口ゲートに向かう。ゲート周辺には料金表や園内マップ、電動カートの案内があり、ここで園内の回り方を確認してから入場する。

入口にはチケット確認レーンがあり、入場券にあるQRコードでゲートを通過する。子ども料金は身長で分かれているため、家族連れの場合は適用料金を確認しよう。
入場料金とチケットに含まれる内容
大人および身長1.3m以上の子どもは250,000VND、身長1m〜1.3m未満の子どもは150,000VND、身長1m未満は無料となっている。

入場料だけを見ると安くはないが、Thung Nhamでは園内入場だけでなく、一部のボートや観光エリアも含まれている。案内上はBuddha Cave方面のボート、Bird Gardenのボートなどが入場券に含まれていた。この記事では、実際に回ったMermaid CaveとBird Gardenのボートを中心に紹介する。
ただし、電動カートやガイド、園内の一部有料サービスなどは別料金。広い園内を効率よく移動したい場合や、ガイドを利用したい場合は追加料金が必要になる。電動カートの往復券が40,000VND、プライベートガイドが最大4時間で700,000VNDとなっていた。
料金や営業時間は変更されることがある。事前に確認する場合はThung Nham公式サイトのチケット案内を参考にしたい。公式サイトでは、営業時間は夏季7:00〜18:00、冬季7:30〜17:30と案内されている。
園内移動|電動カートは必要か

Thung Nhamの園内には電動カートが走っている。往復40,000VNDで、入口付近や園内の一部エリアに乗り場がある。
ただ、実際に見た印象では、電動カートは大人数で乗るタイプで、小回りが利く移動手段という感じではなかった。乗り場で待つ時間や、他の乗客と一緒に移動する流れを考えると、短距離なら歩いた方が早い。
足が悪い人、長く歩くのが大変な人、暑い時間帯に体力を温存したい人なら、電動カートを使う価値はある。一方で、写真を撮りながら自分のペースで回りたい人は徒歩で問題ない。実際、園内ではベトナム人観光客も徒歩で回っている人が多かった。
Mermaid Cave|水辺を歩いて進む洞窟エリア
園内の見どころのひとつが、Mermaid Caveだ。ベトナム語ではĐộng Tiên Cá、日本語にすると「人魚の洞窟」。

洞窟の入口までは少し階段を上る。入口だけ見るとそれほど大きな洞窟には見えなかったが、中に入ると外の暑さがやわらぎ、空気が少しひんやりする。ここは印象に残った。
内部には岩の間に通路が整備されており、横には水路がある。ボートで洞窟を抜けるチャンアンやタムコックとは違い、歩いて見学するタイプの洞窟だ。


暗い場所や階段、天井が低い場所もある。特に天井が低い区間では、何度かかがみながら進む場面も。
派手な見どころが次々に出てくる洞窟ではないが、ひんやりした空気の中で岩の間を歩いていく感覚はなかなか面白い。ボート乗り場やバードガーデンとはまた違った雰囲気があり、園内の散策に変化をつけてくれるスポットだ。
Bird Gardenのボート|30分強で回る短めの湖上コース
Mermaid Caveを見たあとは、Bird Garden方面のボートへ。
Thung Nhamのボートは、チャンアンやタムコックのように長時間かけて景勝地を巡るものではなく、30分強で回る短めの湖上コースだ。

乗船前にはライフジャケットを着用する。ボートは少人数の貸切ではなく、10〜12人ほどで乗る相乗り形式。人数がそろってから出発するため、タイミングによっては少し待つこともある。
湖の奥へ進むと、木の上に集まる鳥の群れが見えてくる。今回乗ったのは夕方に近い時間帯で、木の上にはかなり多くの鳥が集まっていた。船からでも十分に見えるが、細かく観察するなら双眼鏡が欲しくなる距離である。ボートは鳥のすぐ近くまで寄らず、湖上から鳥の群れを眺めることができる。


Thung Nhamのボートは、園内で楽しむミニ版の湖上ボートと考えるといい。ただ、静かな湖を進みながら鳥園方面へ向かう時間は、これはこれで悪くない。
野鳥や自然エリアに興味がある人なら楽しめる。大きな絶景を期待すると少し地味に感じるかもしれない。園内を回る中で、短めのボート体験として楽しむくらいがちょうどいい。
園内散策|ベトナム人観光客も多い落ち着いた雰囲気

Thung Nhamでは、洞窟やボートの合間に、池のまわりや庭園エリアを歩く時間もある。木陰のある広場や遊歩道があり、歩きながら自然の景色を楽しめる。
園内を歩いていると、チャンアンやタムコックに比べて外国人旅行者は少なく、ベトナム人観光客の姿が目立った。観光バスで訪れる団体客も多く、ベトナム国内では定番の観光地の一つとして親しまれているようだ。

この雰囲気は、個人的にはThung Nhamの良さでもある。外国人旅行者向けに作り込まれた観光地ではなく、ベトナム人の家族連れや団体客が週末に訪れる自然公園という感じ。チャンアンのような派手さはないが、その分、園内を歩いている時間は落ち着いていた。
日本語の旅行情報では大きく扱われることは多くないが、静かな自然エリアを歩きたい人にはいい場所だと思う。
日帰りで行くべきか|実際に行って感じたこと
ハノイからニンビンへ日帰りで行く場合、Thung Nhamまで含めるかは時間との兼ね合いになる。チャンアン、タムコック、Thung Nhamをすべて回ると、かなり詰め込んだ行程になる。
初めてニンビンへ行くなら、まずはチャンアンを中心にした方が満足度は高いと思う。限られた滞在時間で石灰岩の山並みやボート観光を楽しむなら、その方がニンビンらしい景色を味わえる。
歩いて散策するのが好きな人、野鳥を見たい人、観光地の混雑から少し離れたい人には、Thung Nhamも十分に魅力がある。定番ルートとは少し違うニンビンを見たい人には合っている。
特に相性がいいのは、タムコック周辺に宿泊する人である。午前または午後の半日があれば、急ぎすぎることなく園内を見て回れる。夕方にBird Garden方面のボートへ乗る行程も組める。
日帰り旅行で無理に詰め込む場所ではない。ただ、自然の中を歩いたり、鳥園方面のボートに乗ったりする時間が好きな人には合っている。定番のニンビン観光から少し外れて、自然を楽しめるエリアまで足を延ばしたいなら、Thung Nhamは面白い行き先になる。


