青春18きっぷがリニューアルされ、5日間用に加えて3日間用が登場した。一方、利用日は連続する必要があり、以前より使いにくくなったとも言われている。
今回は3日間用を使い、東京から博多まで普通列車を乗り継いだ。途中で中部国際空港(セントレア)と関西国際空港に立ち寄り、2夜連続で空港泊をする旅程である。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 東京から福岡まで | 青春18きっぷで移動可能 |
| 必要日数 | 最短2日、寄り道を入れるなら3日以上 |
| 今回の日程 | 3日間 |
| 使用したきっぷ | 青春18きっぷ3日用・10,000円 |
| 実際のルート | 東京→セントレア→関西空港→博多 |
| 最長の移動 | 関西空港→博多の約15時間 |
| 向いている人 | 普通列車での移動自体を楽しめる人 |
| 向かない人 | 移動時間の短さや快適さを優先する人 |
実際のルートと乗車時間、普通列車で東京から福岡へ移動して分かった注意点を紹介する。
東京から博多までは最短2日で移動できる
東京を早朝に出発して東海道本線・山陽本線を西へ進めば、1日目に山口県まで到達し、2日目に博多へ入ることも可能だ。
今回は東京を12時27分に出発し、セントレアと関西国際空港にも立ち寄ったため3日間かかった。
| 最短ルート | 今回のルート | |
|---|---|---|
| 日数 | 2日 | 3日 |
| 経路 | 東海道・山陽本線を西へ進む | セントレア・関西空港経由 |
| 目的 | 博多への到着を優先 | 寄り道と鉄道旅を楽しむ |
列車時刻はダイヤ改正によって変わるため、出発前に最新の乗り継ぎを確認してほしい。
3日間で東京から福岡へ 今回のルート
今回はセントレアと関西国際空港を経由し、両空港で1泊した。ホテルを使わず、空港も目的地に組み込んだ3日間である。
3日間の旅程
1日目
東京 → セントレア 🌙
2日目
セントレア → 関西国際空港 🌙
3日目
関西国際空港 → 博多
🌙=空港泊
※セントレアへの往復のみ名鉄を利用し、それ以外は青春18きっぷで移動した。

青春18きっぷ3日用を選んだ理由
今回の旅では、青春18きっぷ3日用を利用した。
今回は東京から福岡まで普通列車で移動し、途中でセントレアと関西国際空港にも立ち寄る計画だった。そのため、3日用がちょうど収まる日程だった。5日用もあるが、連続5日間を使い切る旅程はかなり難しいと感じ、今回は3日用を選んだ。
青春18きっぷは、JRの普通列車・快速列車が乗り放題になるきっぷで、2024年冬から大きくリニューアルされた。
2026年夏は7月18日から9月8日まで利用でき、3日用と5日用の2種類が発売されている。どちらも利用開始日から連続して使う仕組みだ。
購入方法と使い方
今回はJRの指定席券売機でクレジットカードを利用し発券。希望の切符と利用開始日を指定するだけで簡単に購入できる。

以前の青春18きっぷは有人改札で駅員に毎回スタンプを確認してもらう必要があったが、現在は自動改札機を利用できる。長距離移動では乗り換えの回数も多く、この変更は思ったより快適だった。
1日目 12時27分、東京駅を出発

昼前に東京駅へ到着し、いよいよ青春18きっぷの旅が始まる。
今回のゴールは博多駅。最短ルートで向かう旅ではない。途中ではセントレアと関西国際空港にも立ち寄り、2夜連続で空港泊をしながら西を目指す。
まず乗車したのは、12時27分発の熱海行き。日曜昼の列車であったが車内は旅行客でほどよく埋まっていた。

ここから3日間、普通列車だけで西日本を目指す。期待と少しの不安を抱えながら、東京駅を後にした。
人身事故でダイヤが乱れる
順調にスタートしたかと思ったが、旅はいきなり予定どおりには進まなかった。
人身事故の影響で東海道本線に遅れが発生し、熱海での乗り換えにも影響が出た。青春18きっぷは乗り換えを重ねながら進む旅だけに、最初の遅れがその後の行程にも響く可能性がある。
幸い接続は大きく崩れなかった。とはいえ、初日くらいは平和に始まってほしかったというのが本音である。
浜松まで続く東海道本線の長い移動

熱海駅では座れない程度に混雑していた。

夏休みらしく大きなリュックを背負った旅行者の姿は見かけた。ただ、以前の夏休みシーズンと比べると混雑は明らかに落ち着いていた。熱海では座れなかったものの、三島に着く前には座ることができた。
昔の青春18きっぷシーズンは熱海から座れたらラッキー、という記憶だった。それを知っているだけに、三島手前で座れたことには少し拍子抜けした。
熱海から浜松までは約3時間。東海道本線では定番の区間だが、何度乗っても静岡県の横長さを思い知らされる。
車窓を眺めたり、駅名標を追ったりしているうちはまだいい。しかし、気付けば景色はまだ静岡県内。尻が割れた、と思う頃にようやく浜松へ到着。

それでもこの長い移動を乗り切ると今日はかなり稼いだ、という謎の達成感がある。青春18きっぷの旅はこの積み重ねが意外とクセになる。
夜のセントレアが、この日の目的地

金山駅で青春18きっぷの旅をいったん離れ、名鉄に乗り換える。セントレアへのアクセスだけは別料金になるが、今回の旅では空港も目的地の一つだ。名鉄のアクセス方法や運賃については別記事で詳しく紹介するため、ここでは旅を進めたい。
19時半過ぎ、すっかり日が暮れたセントレアへ到着した。
長い移動のあと、ようやくこの日の移動が終わった。

展望デッキで飛行機を眺めたあとは、空港泊の場所を確保。この日はホテルを取らず、そのままセントレアで一夜を過ごした。

明日は再び青春18きっぷの旅。次の目的地は関西国際空港だ。
2日目 関西本線経由で関西国際空港へ
2日目はセントレアを出発し、関西国際空港を目指す。
東京から福岡まで青春18きっぷで移動する場合、多くの人は東海道本線を利用するだろう。しかし今回は、以前から気になっていた関西本線を経由するルートを選んだ。
結果として、王道ルートとは違った景色や列車旅を楽しめた。本数の少なさならではの注意点もあった。
18きっぷの旅を再開
空港で朝を迎え、名鉄の始発で金山駅へ戻る。
ここから再び青春18きっぷの旅が始まる。東海道本線をそのまま西へ向かうこともできるが、今回は一度乗ってみたかった関西本線を経由することにした。
しかし、出発早々に関西本線が遅延。またか……、と思いながら運行情報を確認し、予定どおり進めることを祈るしかなかった。
初めて乗る関西本線
金山から西へ向かうルートはいくつかあるが、今回はあえて関西本線を選んだ。
関西本線は名古屋から東海道本線を離れ、亀山・加茂を経由して奈良方面へ抜けるルートである。


東海道本線はこれまで何度も乗ってきた。今回は少し景色を変えてみたかったのと、新幹線が並行しない関西本線にも興味があった。
実際に乗ってみると、期待どおり東海道本線とはまったく違う旅になった。山間部を縫うように走り、車窓も前後から眺められる車両で、ローカル線らしい雰囲気を存分に味わえる。


その代償は本数の少なさだ。亀山や加茂では接続を把握していないと足止めを食らう。青春18きっぷでは時間のロスが旅程に響くので、事前に時刻表を確認しておきたい。


それでも今回はこちらを選んで正解だった。乗り換えは多かったがそれ以上に知らない路線を走る面白さの方が勝った。
なお、最短で福岡を目指すなら岐阜・米原・京都方面へ進む東海道本線ルートが基本になる。
天王寺から関西国際空港へ

天王寺まで来ると一気に都会へ戻ってきた感覚になる。
ここから関空快速に乗り換え、2日目の目的地である関西国際空港へ向かった。

19時前後、関西国際空港へ到着。

この日もホテルは利用せず関西国際空港で空港泊。翌日は関空から博多まで、この旅で最も長い移動が待っている。早めに寝床を確保し、3日目に備えることにした。
2日連続の空港泊は変わった旅だが、その分翌朝は始発列車でそのまま西へ向かえる。
3日目 始発列車で博多へ
いよいよ最終日。この日は関西国際空港を5時50分に出発し、普通列車だけで博多駅を目指す。
この旅で最も長い移動日だ。今日だけは寄り道もほとんどなく、ひたすら西へ向かう。

朝の大阪は通勤ラッシュ
始発で関西空港駅を出発し、大阪駅へ向かう。

大阪に着く頃には7時を過ぎ、ちょうど通勤の時間帯。スーツ姿の会社員に囲まれながら立っていると自分だけ旅の服装で少し場違いな気分になる。
通勤電車に乗るのはせいぜい30分ほどだろう。こちらは、まだ14時間近く乗り続ける予定である。
29分だけの姫路観光
この日唯一観光らしい時間があったのが姫路駅。
乗り換えまで29分あったため、駅前へ出て姫路城を見に行くことにした。

駅前へ出ると、姫路城は大通りの正面に堂々と姿を見せていた。
「せっかくここまで来たんだから中まで見たい。」
そう思ったが次の列車は待ってくれない。青春18きっぷの旅は、一本乗り遅れるだけでその後の乗り継ぎが大きく変わってしまう。
結局、姫路城を写真に収めると駅へ引き返した。世界遺産を29分で楽しむ。これも青春18きっぷらしい旅だった。

山陽本線はローカル線の雰囲気が濃い
相生を過ぎると、旅の雰囲気が少し変わる。
山陽本線は乗り換えが増えローカル線らしい空気が一気に強くなる。駅の規模も小さくなり、西へ来たなと実感できる区間だった。


一方で意外だったのは列車の快適さ。車両は新しく座席も快適。東海道本線ほど混雑せず、多くの区間で座ることができた。
この先まだ岩国や下関が待っている。その時はまだ知らなかったが、この快適な区間はボーナスタイムだった。
岩国から下関、最大の難所
この日の本当の勝負はここからだった。

岩国から下関までは約3時間半。熱海から浜松の長距離区間も十分長いと思っていたが、個人的にはそれ以上に感じた。
しかも驚いたのはこの区間を1本の普通列車が約3時間半かけて走り切ることだ。都市部ではなかなか見ない運行形態でよくこんな列車を走らせているな、と実際に乗って感心した。
岩国から柳井あたりまでは瀬戸内海沿いを走り、穏やかな海と島々が広がる絶景区間。海側の席に座れれば、車窓を眺めているだけでも楽しめる。


その後も列車はひたすら西へ進む。
途中で何度も駅に停車するもののまだ山口県内。「まだ下関、全然遠いじゃん」と何度思ったか分からない。
1日目に尻が割れたと思ったが、あれは序章だった。本当に試されるのはこの区間である。
ようやく下関駅に到着した。博多はもう目前だが、あと少し、というより「本州って長いな」が先に頭に浮かんだ。

九州上陸、そして博多駅へ
下関を出発すると列車は関門トンネルへ入る。
九州へ渡る瞬間だが海は見えない。窓の外は真っ暗で、気付けば門司駅に到着している。
それでも、本州を走り切り、ついに九州まで来たという実感は大きかった。

門司、小倉を経て、20時41分、博多駅に到着。朝5時50分に関西国際空港を出発してから、約15時間の移動だった。

普通列車だけで東京から博多まで来た。疲れた。今日はもう電車を見たくない。でも不思議と「またいつかやってみてもいい」と思っている自分もいた。
青春18きっぷは本当に使いにくくなったのか
結論から言えば、以前より使いにくくなった。
以前は有効期間内の好きな5日を選べたため、移動の間に観光日を入れたり、週末だけ使ったりできた。現在は利用開始日から3日間または5日間を連続して使う必要があり、途中で休むことはできない。
自動改札機に対応した点は便利である。乗り換えのたびに有人改札へ向かう手間はなくなった。しかし、連続利用の制約を補うほどのメリットとは感じなかった。
今回も3日間で博多へ到着するため、各日の到達地点から逆算して旅程を組んだ。鉄道旅に慣れている人には計画も楽しみの一つだが、気軽に途中下車や連泊をしたい人には扱いにくい。
3日用でも計画が必要なのだから、5日用を無駄なく使い切るハードルはさらに高い。「青春18きっぷは改悪された」という評価には実際に使ってみても納得できる。
それでも3日用は10,000円。東京から博多まで新幹線で移動すると2万円を超えるため、価格の魅力は残っている。
制度の自由度は下がった。しかし、普通列車を乗り継ぎ、途中の街や景色に出会う面白さは変わっていなかった。
東京から福岡まで普通列車で旅する人へのアドバイス
東京から福岡まで青春18きっぷで移動すること自体はそれほど難しくない。時刻表どおりに乗り継げば、3日間で十分到着できる。
ただし、思いつきで出発するような旅ではない。今回あらためて感じたのは体力よりも旅程を組む力の方が重要だということだ。
尻との付き合いは3日間続く。小さなクッションがあるだけでもかなり助けられた。スマートフォンを使う時間も長いため、モバイルバッテリーも持っていきたい。
また、乗り換え時間が15分ほどあるなら、一度改札を出て駅前を歩いてみることをおすすめする。 列車に乗り続けるだけでは景色しか残らない。乗り換え時間に少しだけ街を歩くと通過した駅が訪れた街に変わる。
そして旅程には少し余裕を持たせたい。普通列車の旅では遅延や乗り換えの失敗がその後の予定に影響する。今回も初日から遅延に遭遇したが、余裕を持った計画だったため大きく予定を崩さずに済んだ。
速さを求める旅ではなく、移動そのものを楽しめる人には青春18きっぷの旅は今でもおすすめできる。
青春18きっぷで東京から福岡を旅した感想
青春18きっぷで東京から福岡まで普通列車だけを乗り継ぐ旅は決して楽ではない。
長時間の移動に加え、連続利用になったことで旅程も以前より組みにくくなった。実際に使ってみて「使いにくくなった」という声には納得した。
それでも普通列車だからこそ見られる景色があり、途中下車をしながら街の空気を感じられる楽しさは変わらない。熱海から浜松までの長い移動、関西本線の山あいの景色、瀬戸内海を眺めながら走る山陽本線、そして関門トンネルを抜けて九州へ入る瞬間。新幹線では味わえない時間がこの旅にはあった。
速さや効率を求めるなら新幹線を選べばいい。
移動そのものを旅として楽しみたいなら、青春18きっぷは今でも十分に面白い。

よくある質問(FAQ)
青春18きっぷ3日用で東京から福岡まで行けますか?
行けます。今回も3日用で博多まで到着しました。途中で観光や寄り道を入れるなら、事前に乗り換えを確認しておくと安心です。
普通列車だけで東京から福岡まで移動するのは、正直きついですか?
きついです。特に3日目の関西空港〜博多は約15時間の移動でした。ただ、新幹線では通過してしまう街や景色を楽しめるのは、普通列車ならではです。
青春18きっぷは改悪されたと言われていますが、本当ですか?
特に連続利用になった影響は大きく、以前のような自由な旅程は組みにくくなりました。一方で、自動改札に対応した点や料金の魅力は今も残っています。
青春18きっぷ3日用と5日用はどちらがおすすめですか?
初めてなら3日用がおすすめです。5日用は連続5日利用となるため、かなり計画的に旅を組める人向けです。
青春18きっぷは初心者でも使えますか?
初めてでも利用できます。ただし、初めてなら東海道本線など本数の多いルートを選ぶと安心です。
青春18きっぷは18歳しか使えないのですか?
いいえ。名前に「18」とありますが、年齢とは関係ありません。
「青春18きっぷ」という名前ですが、子どもからシニアまで誰でも購入・利用できます。実際に利用者を見ると、学生だけでなく、夫婦やシニア、一人旅を楽しむ人までさまざまです。



