ハノイメトロ3号線の地下区間の中でも、カットリン(Cat Linh)駅予定地は工事の影響が特に見えやすい場所である。
交通量の多い交差点に位置しており、現地では車線規制や囲い込みが続き、周辺の流れにもはっきり変化が出ていた。
場所はキンマー(Kim Ma)駅とバンミュウ(Van Mieu)駅の中間で、3号線中心部の地下工区にあたる。今後の延伸を左右する重要区間でもあり、2027年の完成・開業に向けて工事が進んでいる。

カットリン駅周辺の工事状況|カットリン通りで続く渋滞
カットリン周辺は工事規模が大きく、ハノイメトロ3号線の最新の工事状況を知る上でも注目されるポイントだ。
カットリン駅周辺では、カットリン通りの両側に長いフェンスが設置され、道路中央を大きく掘削する工事が続いている。

工事フェンスは車道ギリギリまで迫り、実質的に車線が圧縮されている状態で、交通量の多さに対して明らかに道路幅が足りない。この先がGiang Voを含む複雑な交差点にあたるため、信号待ちの車列が伸び、朝夕の時間帯は小さな渋滞が頻発している。
フェンスは駅周辺だけでなく前後の区間まで続き、区間全体が連続工事の様相を呈している。一方、歩行者用の通路も確保されているが、幅が狭くすれ違いも困難なほどで、特に夕方は通勤客で混雑する。バイクとの距離も近く、歩く際は注意が必要だ。

ハノイメトロ3号線・カットリン地下駅の建設状況
現場では道路中央を大きく掘り下げる開削式(Cut & Cover)で地下駅の建設が進んでいた。

いわゆる地面を掘って箱型の駅を作る方法で、地上からでも深い基礎部分が確認できる。周囲には仮設の換気ダクトや排水ホース、電源ケーブルが多数並び、地下空間の整備が本格化している様子がうかがえる。
この区間は建物密度が高く交通量も多いため、中心市街地特有の難易度の高い工事が進んでいる印象である。フェンスの案内板には「CP03」「S10」といった工区番号が掲示されており、工事を区間ごとに細かく分けて進めていることが分かる。

現地に来ないと気づかないこうした情報からも、中心部での地下鉄工事の複雑さが伝わってくる。
その一方で、工事フェンスは長く続いており、工事の進捗によって街の雰囲気が変わりやすい区間でもある。進捗に応じてフェンスの位置や歩道の幅が変わるため、街の側からも工事の段階が感じ取れる場所だ。
Giang Vo通りと周辺バス・BRT|カットリン駅との位置関係
カットリン駅が他の地下区間と比べても特徴的なのは、交通量の多い Giang Vo通りのすぐ近くを貫いている点である。この通りはハノイ中心部でも屈指の交通結節点で、バイク、車、バスが絶えず行き交う。
周辺には以下の交通施設が集中している:
- BRT Nui Truc駅(徒歩すぐ)
- 90番バス(空港アクセスに便利)の始発・終点
- キンマーバスターミナル(市内各地へアクセス可能)
BRT Nui Truc駅は、ハノイBRT 01の停留所である。乗り方や運賃、Yen Nghia Bus Stationからの乗車ルートは、別記事ハノイBRTの乗り方とYen Nghia乗り場で紹介している。
特に90番バスはノイバイ空港へ向かう際に使い勝手が良く、現地住民には日常的な移動手段として定着している。慣れていないと観光利用としては難しいが、ローカルエリアとの結節点としての役割は大きい。
3号線カットリン駅が開業すると、これらの交通手段と鉄道が結合し、地上・地下を含めた複合ハブとして機能する。
こうした地上交通の密度に対して、鉄道どうしの乗り換え計画がどのように整備されるのかは、利用者にとって重要なポイントとなる。
3号線カットリン駅と2A号線|乗り換えはどうなるか
ハノイメトロ2A号線(Cat Linh–Ha Dong線)は既に開業しており、生活圏と中心部を結ぶ重要路線となっている。現在の路線図や全駅、QRチケットを使った乗り方は、ハノイメトロ2A号線ガイドで整理した。

一方でホーチミン市も含め、ベトナムの都市鉄道はまだ路線数が少なく、路線間接続が存在しないのが現状である。カットリン駅は将来、ハノイで初めて都市鉄道どうしが接続する駅になる見込みである。
3号線と2A号線をどうつなぐのかは、今後の使い勝手を左右するポイントになりそうだ。
カットリン駅の乗り換え動線|地下通路か地上横断か
現地で気になったのは、地下の3号線カットリン駅と、高架の2A号線カットリン駅をどうつなぐのかという点である。
両駅はすぐ隣に並んでいるわけではなく、Giang Vo、Cat Linh、Hao Nam、Giang Van Minh の複数の通りが交わる大きな交差点を挟んでいる。
今の道路状況を見るかぎり、地上だけでスムーズに乗り換えるのは簡単ではない。横断歩道を渡る必要があり、信号待ちも長く、交通量も多い。実際に歩いてみると、地上動線だけで乗り換えを完結させるのはかなり厳しそうだった。
こうした事情もあり、2A号線と3号線を結ぶ地下連絡通路(歩行者トンネル)の建設案が報じられている。報道によれば、2A号線カットリン駅の高架階から階段やエスカレーターで地上または地下へ下り、3号線側の乗換レベルへつなぐ計画で、事業費は約1,130億ドンとされている(Hanoi Times報道)。
金額だけを見ると大きく見えるが、路線全体の建設費と比べれば、乗り換え導線を整えるための追加整備としてはそこまで非現実的な規模ではない。
ただし、現時点でこの案が正式決定し、発注まで進んだという公式情報は確認できていない。今のところ、乗り換え方法はまだ詰めている段階と見てよさそうだ。
現地の交通量を考えると、地上横断だけで済ませるより、地下連絡通路か歩道橋のような専用動線を整備する形が現実的に見えた。
まとめ|カットリン駅の工事と乗り換えはどうなるか
カットリン駅は、
- 交通量が多い交差点に位置する地下駅
- BRTやバスが集まる地上交通の結節点
- 2A号線との乗り換えが想定される駅
- 都市部の難しい条件の中で工事が進む地下駅
という特徴を持つ。
今は道路の混雑が目立つが、3号線が開業し、2A号線との接続方法も整えば、この一帯の移動はかなり変わりそうだ。
カットリン駅は、ハノイメトロ3号線の中でも、工事の難しさと将来の使い勝手の両方が見えやすい駅だと感じた。
地下区間の起点となるハノイ駅の工事状況はこちら。
ハノイメトロ3号線の路線図・駅一覧・開業状況は、3号線まとめガイドで詳しく紹介しています。



