ホーチミンの玄関口であるタンソンニャット国際空港(Tan Son Nhat International Airport)では、到着直後にSIMカードを購入できる。空港から市内へ移動する際、GrabやGoogleマップを使うためにも通信環境を整えるのは最優先事項である。この記事では、実際の現地状況とあわせて、空港での購入手順や市内での選択肢を紹介する。
空港のSIMカウンターは税関を出てすぐ
国際線ターミナルでは、税関を出た先の到着ロビーに複数のSIM販売カウンターが並んでいる。スタッフによる声かけはかなり積極的で、初めて訪れる人は少し驚くかもしれない。
ただし、これらの店舗は空港運営会社の許可を受けた通信会社直営または正規代理店が営業しており、信頼性は高い。価格がやや高めでも、サポートや即時開通を考えれば安心して利用できる。
営業時間は早朝から深夜まで続くが、深夜便の時間帯は一部のカウンターが閉まっていることもある。遅い時間帯に到着する場合は、空港Wi-Fiを使い、翌日に市内で購入してもよいだろう。
空港施設の最新情報は、運営元である Airports Corporation of Vietnam(ACV)公式サイト にも掲載されている。(※主要情報はベトナム語ページが中心)
購入手順と開通までの流れ
SIMカードの購入手順は非常にシンプルで、迷うことはない。
- パスポートを提示する
- データ容量や期間を選ぶ(例:「7 days」「1 month」など)
- 現金またはクレジットカードで支払う
- スタッフがその場でSIMを挿入し、通信確認まで行う
英語でのやり取りが可能で、簡単な単語でも問題ない。SIMの交換や設定作業はスタッフがすべて対応してくれるため、自分で挿し替える必要はない。カウンター前に椅子はないが、数分で完了する。
通信は購入後すぐに開通し、スタッフがGrabやGoogleマップで接続確認をしてくれる場合もある。
💡筆者メモ:購入から開通までは本当にスムーズで、想像していたよりも簡単だった。空港到着直後に通信が確保できる安心感は大きく、Grab配車やホテル連絡もすぐ行えた。
支払いと注意点
支払いは現金(ベトナムドン)またはクレジットカードに対応している。ただし、カード端末が動作しないこともあるため、30万ドン程度の現金を到着時に両替しておくと安心。
販売価格は掲示されており、交渉や不当請求などの心配はほとんどない。空港内で営業している店舗は許可制のため、信頼性は高い。
主要キャリアの特徴
空港で扱われている主な通信会社は以下の3社。通信品質や価格差は大きくないが、旅行者向けの特徴をまとめる。
| キャリア | 特徴 |
|---|---|
| Viettel(ヴィッテル) | ベトナム最大手。郊外でも通信が安定し、速度も速い。旅行者に最も人気。 最新プランは Viettel公式サイト でも確認できる。 |
| Vinaphone(ビナフォン) | 市街地で通信が安定しており、Viettelと同等。直営店では英語対応スタッフがいることも多く、旅行者に利用しやすい。詳細は Vinaphone公式サイト を参照。 |
| Mobifone(モビフォン) | 料金がやや安めで、都市部での利用に十分な通信品質。プラン内容は他社とほぼ同等。 詳細は Mobifone公式サイト を参照。 |
どのキャリアでも5〜7GB/日程度の高速データ通信が主流で、1週間150,000〜200,000ドン、1か月200,000〜300,000ドン前後が目安と考えてよい。
実際に空港で購入したVinaphoneのSIMカード


パッケージには利用開始方法やデータ残量確認用アプリの案内が印字されている。設定はすべてスタッフ任せで問題なかった。
eSIMも利用可能
近年はeSIM対応スマートフォンも増えており、AiraloやNomadなどのオンラインサービスも利用できる。筆者自身もeSIMを使用しているが、ベトナム国内では通信の安定性に特に問題は感じない。
ただし、空港カウンターでeSIM発行に対応しているかは時期によって異なる。また、古い機種では対応していないため、確実に通信を確保したい場合は物理SIMを選ぶとよい。
市内で購入する場合の選択肢
時間に余裕がある人や、落ち着いた場所で手続きしたい人は、市内の店舗で購入する方法もある。
① Vinaphone公式ショップ(グエンユー通り)

ホーチミン中心部のグエンユー通りにあるVinaphone公式店では、空港よりやや安い価格で購入できる。英語が通じ、設定もスタッフが行ってくれるため、初めてでも安心だ。
② サイゴン中央郵便局内の観光インフォメーション

観光客が多く立ち寄る中央郵便局内のカウンターでもSIMカードを扱っている。価格は1か月250,000ドン前後(7GB/日)で、空港とほぼ同水準。混み合う時間帯もあるため、落ち着いた対応を求めるなら市内ショップがおすすめだ。
延長・再チャージについて
データ容量が足りなくなった場合は、市内の正規店やコンビニでチャージ(top-up)が可能。
現在は電子チャージ方式が主流で、金額をアプリまたは店頭端末で選択できる。
各キャリアごとに専用アプリがあり、
- Vinaphone:My VNPT
- Viettel:My Viettel
- Mobifone:My Mobifone
といった名称で提供されている。
これらのアプリでは、10,000ドン(約60円)からの少額チャージも可能で、データ追加や有効期限延長を簡単に行える。店頭でもチャージを受け付けており、アプリを使えない場合でも簡単に延長できる。
まとめ:空港でも街中でも安心して通信確保を
空港設備や到着後の過ごし方は、タンソンニャット国際空港ガイド に詳しくまとめています。
タンソンニャット空港では、到着直後に通信環境を整えられる。
呼び込みはやや活発だが、正規代理店なので安心して購入できる。
また、市内の公式ショップでは空港よりやや安く購入できるため、時間に余裕がある人はそちらも検討するとよい。
ホーチミン滞在の第一歩として、まず通信を整えておくと安心して旅を始められる。

