ホーチミン中心部からタンソンニャット空港へは、タクシー以外にも便利な市バスが運行されている。
中でもメインルートとなるのが、サイゴンバスステーション(Bến Xe Buýt Sài Gòn – Lê Lai, Phường Phạm Ngũ Lão)発の109番バス(ターミナル3直通)。
また、国際線・国内線ターミナル(T1・T2)へ行く場合は、152番バスも利用できる。
本記事では、109番バスを中心に、最新の運行状況・乗り場・料金・T1/T2アクセス方法を現地取材にもとづいて詳しく紹介する。
サイゴンバスステーションから出る109番バス
サイゴンバスステーション(Bến xe buýt Sài Gòn)は、ベンタイン市場から徒歩15分程度、9月23日公園側にある。構内は意外と広く、一見どこから乗るのか迷いやすいが、構内を9月23日公園側を歩き、青地に白文字の「109」案内板を目印に進めば、空港行きの乗り場へたどり着ける。


運行を担当しているのは、ホーチミンの大手バス会社「Futa Bus Lines(PHƯƠNG TRANG)」。車体は鮮やかな緑色の電気バスに切り替わっており、環境にも優しい。運賃は片道15,000ドン(約90円)と格安で、乗車時に車内でチケットを購入する。

旧109との違い:黄色いバス時代との変更点に注意
現在の109番バスは、ルート・車体・行き先すべてが刷新された「新109」である。
以前は黄色いディーゼル車で、ターミナル1・2(T1/T2)までを結んでいたが、
2024年後半から運行体制が変わり、電気バス化と同時に新ターミナル3(T3)直通ルートへ変更された。

主な変更点まとめ
| 項目 | 旧109(過去) | 新109(現在) |
|---|---|---|
| 行き先 | 空港T1・T2 | 空港T3(新ターミナル) |
| 車両 | 黄色ディーゼル車 | 緑色の電気バス |
| 運賃 | 約20,000ドン | 15,000ドン |
この変更により、インターネット上では旧ルート(T1/T2行き・黄色車体)の情報が多く残っている。
実際、2023〜2024年ごろの記事やYouTube動画では旧車両が紹介されているため、
最新の電気バスを利用する場合は、緑色車体かつT3行き表記のバスを選ぶよう注意したい。
また、T1/T2に直接行きたい場合は、前述の152番バスを利用するのが正解だ。
夜のほぼ終バスに乗車、出発は22時過ぎ
この日は最終便に近い夜の時間帯を狙い、22時過ぎに乗車した。公式情報では最終バスは22:15発だが、今回は22:09に出発。夜遅いため、乗客は筆者ひとり。がらんとした車内で静かに出発した。


電気バスだけに走行音は非常に静かで、振動も少ない。…と思いきや、夜間で道路が空いているせいか運転手はややスピードを出し気味。ブレーキ操作も大胆で、結果的にかなり揺れた。
ベンタイン市場を抜け、主要道路を進む
バスは市中心部を抜けながら北へ向かう。夜のホーチミンの街並みを車窓越しに眺めつつ、空港へと進んでいった。
バスはベンタイン市場を横目にHam Nghi通りを通過。続いてPasteur通り、Le Duan通りなど、中心部の主要幹線を経由し、ホーチミン中心部のメインストリートを一直線に北上していく。

ルート上の停留所では途中乗車も可能で、旅行者でも比較的使いやすい。昼間に見たときも混雑は少なく、スーツケースを持っていても安心できるレベルだ。
👉 詳しいルートや最新の運行情報は 109番バス公式ルート(buyttphcm)を参照(英語・ベトナム語)。
約30分でT3に到着。柱番号20Aが降車地点
夜間の交通量は少なく、走行はスムーズ。予定では45分だが、約30分でタンソンニャット空港の新ターミナル3(T3)に到着した。
降車地点は1階の柱番号「20A」付近。ここは空港内の無料シャトルバス(T1・T2連絡)の乗降場所にもなっている。


降車時は深夜ということもあり、乗客は筆者一人。T3の広い空間に照明が静かに反射し、完成間もないターミナルの新しさを感じられた。
T1・T2間の無料シャトルバスも便利
T3に到着後、他のターミナルに移動する場合は、ACV(空港公社)が運行する無料シャトルバスが利用できる。
早朝4:30から翌0:30まで、20分間隔で運行しており、T1・T2・T3の間をぐるりと巡回している。

T3からの徒歩移動は距離があり現実的でないため、この無料バスを利用するのがベスト。特に国際線(T2)から国内線(T1)へ乗り継ぐ場合や、到着後に別便へ乗り換える場合に便利だ。
T1・T2(国際線・国内線)へ行くなら152番バスが選択肢
152番バスは、空港T1(国内線)・T2(国際線)利用者に向く定番ルートで、タンソンニャット空港前ロータリーと市内中心部を結んでいる。
- 運行区間:Khu dân cư Trung Sơn(住宅エリア)⇔タンソンニャット空港(T1・T2)
- 運賃:5,000ドン(約30円)
- 運行時間:5:15〜19:00
- 車体カラー:青色メインの一般バス
ベンタイン市場付近も経由するが、市場前に停留所はなく、市内中心部ではTrần Hưng Đạo通りやHàm Nghi沿い、Le Thanh Ton通りの停留所から乗車できる。
便数は多く、日中は15~20分間隔で運行しているため、タイミングが合えば非常に使いやすい。
T1・T2の降車場所は**空港前ロータリー(到着階側)で、降車後に徒歩で各ターミナル入口へアクセスできる。
運行時間が夜19時までと短いため、夜間や早朝フライトを利用する場合は、この記事で紹介した109番バス(T3行き)**か、空港連絡シャトルを使うのが確実。
152バスの詳しいルートや最新の運行情報は Ho Chi Minh City Bus公式サイト(buyttphcm) を参照(英語・ベトナム語)。
タクシー・配車アプリとの比較(料金・所要時間)
| 交通手段 | 所要時間(目安) | 料金(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 109番バス(T3行き) | 約45分(夜間30分) | 15,000ドン(約90円) | 格安・電気バス・夜も運行 |
| 152番バス(T1/T2行き) | 約40〜50分 | 5,000ドン(約35円) | 最安・便数多い・19時まで |
| タクシー (Vinasun/Mai Linh) | 約25〜35分 | 約120,000〜150,000ドン(約700〜900円) | メーター制・24時間運行・ドアツードア |
| Grab/Be (配車アプリ) | 約25〜35分 | 約120,000〜150,000ドン(約700〜900円) | アプリ決済で安心・時間帯や需要で変動 |
※ 料金は距離・渋滞・時間帯・車種により上下します。
利用時のポイント
- バス料金は現金のみ対応(小額紙幣を準備)
- スーツケース可: 109番は大型荷物OK、152番は混雑時注意
- 車体識別: 109番=緑色電気バス/152番=青色一般バス
- 乗り間違い注意: 旧109(黄色車体)情報は現在無効
109番バス基本情報まとめ(2025年時点)
- 路線番号:109番(Bến xe buýt Sài Gòn – Sân bay Tân Sơn Nhất)
- 運行区間:サイゴンバスステーション ⇔ タンソンニャット空港T3
- 所要時間:約45分(夜間は30分前後)
- 運賃:15,000ドン(約90円)
- 運行本数:1日48本
- 運行時間:5:30〜22:15
- 車両タイプ:電気バス(座席数30席)
タンソンニャット空港のターミナル構成や空港泊などを含めた総合ガイドは、以下の記事でまとめています。
タンソンニャット国際空港ガイド|T3開業・アクセス・空港泊情報まとめ
まとめ:夜でも使える安心の公共交通
サイゴン中心部から空港までの移動は、これまでタクシーが定番だったが、109番バスの整備によって格安・安全・快適な選択肢が増えた。
夜の時間帯でもきちんと運行されており、終バス直前でも利用可能だ。
ホーチミン市ではメトロや電気バスの導入が進み、公共交通が着実に発展している。
その中でも、この109番バスは「観光客でも利用しやすい」実用的な空港アクセスとして注目の存在である。
よくある質問(FAQ)
Q:109番バスは夜も運行していますか?
A:最終便は22:15発です。22時過ぎでも利用可能ですが、それ以降はタクシーや配車アプリを利用しましょう。
Q:大きなスーツケースは持ち込めますか?
A:はい。109番バスは電気バス仕様で荷物スペースが広く、スーツケースも問題なく積めます。
Q:T1・T2行きのバスもありますか?
A:あります。152番バスがT1・T2行きの市内線で、運賃は5,000ドンです。109番とは発着場所が異なりますので注意してください。


