バンコクでの移動を考えるとき、起点として使いやすいのが、アソーク駅とスクンビット駅だ。BTSとMRTが直結するこの駅は、構内がシンプルで、方向を決めやすい。サイアム、シーロム、スクンビット東西、さらには空港アクセスまで、アソークを基準に距離感と路線を整理すると、バンコク市内の構造が自然と見えてくる。
本記事では、アソーク駅を単なる乗り換え駅としてではなく、バンコク移動の起点としてどう使うべきかを、実際の移動体験をもとに整理する。初めての旅行者にも、何度も訪れている人にも役立つ“判断軸”としてのアソーク駅を解説していこう。
バンコク全体の移動構造を整理したバンコク交通ガイドの中で、本稿は「駅を起点にどう動くか」を具体化する位置づけとなる。
なぜアソーク駅が移動の起点になるのか
アソーク駅/スクンビット駅が移動の起点として機能する最大の理由は、BTSとMRTという2大都市鉄道が、最も分かりやすい形で交差している点にある。ここを境に、バンコクの移動は「東西(BTS)」と「南北・郊外(MRT)」に整理でき、路線選択の迷いが一気に減る。

鉄道と商業施設が連続し、人の流れが一点に集まることが分かる。
また、スクンビット中心部に位置するため、距離感の基準としても使いやすい。サイアム方面は近く、プロンポン以東は生活圏、シーロム方面はビジネス街――こうした都市の性格が、アソークを起点にすると直感的に把握できる。
アソーク駅の強みは、細かい出口番号や構内動線よりも前に、BTSで東西に動くか、MRTで南北・郊外に向かうかという大きな方向性を決めやすい点にある。この「まず方向を決める」整理のしやすさが、路線選択や乗り換え判断を一気にシンプルにしている。
BTSアソークとMRTスクンビットの役割を整理する
アソーク駅とスクンビット駅は同じ場所にありながら、担っている役割がはっきり異なる。この違いを理解すると、バンコクの移動判断が一段楽になる。
BTS:スクンビット軸を東西につなぐ路線

BTSは、スクンビット通り沿いの東西移動に特化した路線だ。
サイアム、プロンポン、トンロー、エカマイといった生活・商業エリアをテンポよく結び、短〜中距離の市内移動に向いている。
MRT:南北移動と広域アクセスを担う路線

一方のMRTは、南北方向や郊外へと伸びる移動の背骨のような存在だ。シーロム方面をはじめ、フアランポーン周辺や住宅エリアへ素直につながり、市内を縦に移動する際の基軸として機能している。
さらに、移動距離が長くなるほどMRTの強みが出る。マッカサンでエアポート・レール・リンク(ARL)、バンスーでダークレッドラインと接続しており、市内移動にとどまらず、空港アクセスまで含めて一本の流れで考えられる路線となっている。
使い分けの考え方
アソークを基準にすると整理はシンプルだ。
- スクンビット通り沿いの移動 → BTS
- シーロム方面・空港アクセス → MRT
この役割分担が明確なため、アソーク駅は「どの路線に乗るか」を決めるだけで、移動全体を組み立てられる。
起点として見た主要エリアとの距離感

アソークを起点に、主要エリアの位置関係を地図で確認してみよう。「近い/遠い」を感覚ではなく、駅数と方向で整理できる。
具体的な距離感を、代表的な方向ごとに見ていこう。
シーロム方面(MRT)
- シーロム:MRTで数駅(短距離)
- 南北方向に一直線。乗り換え不要で分かりやすい
- ビジネス街・夜の外出どちらも想定しやすい距離
👉 「アソークから縦に下りる」代表例シーロム方面(MRT)
サイアム方面(BTS)
- サイアム:BTSで数駅(短距離)
- 乗り換えなし、所要時間も読みやすい
- 観光・ショッピングの中心を横に移動する感覚
👉 「中心部へ横に寄せる」イメージ
スクンビット東側(BTS)
- プロンポン/トンロー方面:BTSで1〜数駅
- 生活圏・飲食店エリアが連続
- 移動負荷が小さく、日常的に使いやすい
👉 「日常エリアはすぐ隣」スクンビット東側(BTS)
空港アクセスの分岐点(MRT)
- マッカサン:MRT(ペッチャブリー駅)→ ARL → スワンナプーム
- バンスー:ダークレッドライン → ドンムアン
👉 市内移動の延長線で、そのまま空港方向まで考えられる空港アクセスの分岐点(MRT)
距離感まとめ
アソークを基準にすると、
- 横(BTS):サイアム/スクンビット生活圏
- 縦(MRT):シーロム/広域/空港方向
という整理が自然にできる。「方向で距離を測れる」という点が、アソーク駅を移動の起点にしている。
空港アクセスをどう組み立てるか
アソーク駅は、市内移動だけでなく空港アクセスを考える際の起点としても使いやすい。なお、MRTでは駅名がスクンビット駅となるが、BTSアソークと同一地点にあり、乗り換えはシンプルだ。
スワンナプーム空港へ向かう場合は、MRTでペッチャブリー方面へ進み、マッカサンでARLに接続する流れとなる。一方、ドンムアン空港方面も、MRTで北へ進みバンスーでダークレッドラインに接続すれば到達できる。ただし、ARLに比べると時間がかかり、分かりにくさもある。
空港アクセスは、アソークを起点に、MRTで南(マッカサン)か北(バンスー)を選ぶだけで整理できる。
アソークを基準に考えると、空港から市内へ入る動線も整理しやすい。実際の移動ルートや所要時間、乗り換えの考え方は、以下の記事で詳しくまとめている。
・スワンナプーム空港から市内へのアクセス完全ガイド
・ドンムアン空港から市内へのアクセス完全ガイド
在住者・長期滞在者にとってのアソーク

アソーク駅は、在住者や長期滞在者にとって目的地というより集合点として機能する駅だ。
仕事、用事、乗り換えの途中——いずれの場合でも立ち寄りやすく、「とりあえずアソークで」が成立する。
BTSとMRTが交差し、スクンビット中心部に位置するため、どの方向から来ても合流できる。特定の観光スポットが目的でなくても使う機会が多く、日常の動線に自然に組み込まれる点が他駅との大きな違いだ。
結果として、アソークは「行く理由がある駅」ではなく、使っているうちに基準になっていく駅として定着していく。アソーク周辺には、ターミナル21やソイカウボーイといった分かりやすい目印もあるが、ここでは扱わない。
アソーク駅はこんな人に向いている
アソーク駅は、目的地としてよりも移動を整理するための起点として価値が高い駅だ。次のような人に、特に相性がいい。
- 初めてバンコクを訪れる人
路線や街の広がりを、方向と距離感で把握しやすい。 - 何度か来ていて、移動を効率化したい人
「どの路線に乗るか」を迷わず判断できる基準点になる。 - 在住者・長期滞在者
集合・乗り換え・用事の途中など、日常動線に自然に組み込みやすい。 - 空港アクセスを含めて移動全体を考えたい人
市内移動と空港アクセスを、同じ思考フレームで整理できる。
観光スポットが集中する駅ではない。だが、使い続けるほど価値が分かる駅であり、バンコクの移動を考える上での「起点」が、いつの間にかここに定まっていく。


コメント