タイ南部のリゾート地、サムイ島へは飛行機だけでなく、鉄道とフェリーを乗り継いで向かう方法がある。
バンコクからスラタニ(スラートターニー/Surat Thani)までは夜行寝台列車で移動し、翌朝からバスとフェリーを乗り継ぐ。時間はかかるが寝台列車で一夜を過ごし、タイ湾を渡って島へ向かう旅には飛行機とは違った楽しさがある。
2026年10月、バンコクのクルンテープ・アピワット中央駅(Krung Thep Aphiwat Central Terminal)からスラタニ駅までタイ国鉄の2等寝台列車に乗車した。予約方法や運賃、車内設備、スラタニ到着までの流れを紹介する。
バンコクからスラタニへの夜行列車と運賃
バンコクからスラタニまでは約10〜11時間。タイ国鉄の南本線には複数の夜行列車が運行されている。
乗車したのはクルンテープ・アピワット中央駅20時30分発の快速167列車。2等エアコン寝台の上段を654バーツで予約した。
| 項目 | 167列車 |
|---|---|
| 出発駅 | クルンテープ・アピワット中央駅 |
| 出発時刻 | 20:30 |
| 到着駅 | スラタニ駅 |
| 到着予定時刻 | 翌7:16 |
| 所要時間 | 10時間46分 |
| 座席 | 2等エアコン寝台(上段) |
| 運賃 | 654バーツ |
2等寝台には上段と下段があり、下段は窓付きでベッド幅も広い。上段は窓がなく、料金が安い。
車窓を楽しみたいなら下段がおすすめだが、乗車約3週間前の予約時点ですでに満席だった。下段を希望する場合は早めに予約しておきたい。
夜行寝台列車の予約方法
バンコクからスラタニへの寝台列車はタイ国鉄の公式予約サイト「SRT D-Ticket」や交通予約サイト「12Go」で予約できる。
SRT D-Ticket(公式サイト)
SRT D-Ticketでは列車ごとの空席状況を確認でき、寝台の上段・下段を指定して予約できる。
タイ国鉄 SRT D-Ticket

12Go(日本語予約サイト)
12Goでは日本語で列車の時刻や料金を比較し、そのまま予約できる。タイ国鉄の公式サイトに慣れていない旅行者には便利だが、寝台の上下段は自動割り当てとなり指定できない点に注意したい。
上下段を指定したい場合はSRT D-Ticket、日本語で予約したい場合は12Goを利用するとよい。
クルンテープ・アピワット中央駅から乗車
出発駅はクルンテープ・アピワット中央駅。MRTブルーラインのバンスー駅から地下鉄でアクセスできる。
駅構内は広く、長距離列車の乗り場は方面別に分かれている。スラタニ方面の南本線は乗車ゲートEから入場する。

ホームには出発を待つ167列車が停車していた。予約した号車と寝台番号を確認し、車内へ乗り込む。

夜のバンコクを離れ、タイ南部へ向かう約11時間の鉄道旅が始まる。
駅構内の設備やアクセス方法はクルンテープ・アピワット中央駅ガイドを参照。
タイ国鉄の2等寝台車内と設備
167列車の2等エアコン寝台は車両中央に通路があり、その両側に上下2段のベッドが並ぶ構造。旧型車両らしく内装には年季が感じられる。

乗車時にはすでにベッドが用意されており、各寝台にはカーテンが付いている。カーテンを閉めれば通路からの視線を遮ることができ、個室ではないもののプライベートな空間を確保できる。

上段へは備え付けのはしごを使って上がる。上段には窓がなく、ベッド幅も狭い。小柄な人なら問題ないが、大柄な人には窮屈に感じられるだろう。転落防止用のベルトが張られており、寝ている間に落ちないようになっている。


車内には共用の洗面台とトイレが設けられている。


夜行寝台列車でタイ南部へ
20時30分、167列車はバンコクを出発。高層ビルが並ぶ市街地を抜け、列車は南へと進んでいく。
車内では飲み物などの販売員が通路を回ってくる。深夜の販売はなく、夜が更けるにつれて乗客はそれぞれの寝台で休み始める。
車内の照明は夜間も点いたままだが、カーテンを閉めれば明かりはそれほど気にならない。列車特有の揺れを感じながら、いつの間にか眠りについていた。
注意したいのは冷房の強さ。ブランケットは用意されているものの車内はかなり冷える。長袖の上着など、羽織るものを持参したい。
翌朝、目を覚ますと列車はすでにタイ南部を走っていた。夜行列車ならではの楽しみは、眠っている間に遠くまで運ばれていることだろう。

日本では寝台列車に乗る機会が限られるだけに、こうして列車で一夜を過ごす時間そのものが旅の楽しみになる。バンコクの喧騒から離れ、見知らぬ土地で朝を迎える感覚は飛行機では味わえない。
スラタニ駅に到着
翌朝7時26分、列車は定刻より10分遅れてスラタニ駅に到着。サムイ島への乗り継ぎには支障のない遅れだった。ホームには多くの乗客が降り立ち、サムイ島へ向かう欧米系の旅行者の姿が目につく。

スラタニ駅には有料のトイレがあり、その一角にシャワー設備も設けられている。昔ながらのタイ国鉄の駅らしい年季の入った設備である。長時間の寝台列車を降りてシャワーを浴びたいところだが、あまり期待しない方がよい。

駅の出口ではサムイ島行きのバスとフェリーを案内する客引きが待ち構えている。

鉄道の旅はここで終わるが、サムイ島への移動はまだ続く。駅前でバスとフェリーの共通券を480バーツで購入し、ドンサック港を経由して島へ向かった。続きはスラタニ駅からサムイ島への移動記録へ。



