タイの首都バンコクからラオスの首都ビエンチャンへは国境を越える国際夜行列車が運行している。バンコクを夜に出発し、翌朝にはビエンチャン郊外のカムサワート駅(Khamsavath)に到着する。
2026年10月、バンコク発の133列車に乗車し、2等寝台車でラオスへ向かった。タイとラオスの出入国審査を含め、国際列車での移動を出発から到着まで記録した。
バンコク~ビエンチャン国際夜行列車の時刻・料金
バンコク発の133列車は、クルンテープ・アピワット中央駅(Krung Thep Aphiwat Central Terminal)を21時25分に出発する。タイ東北部を縦断し、ノンカイから国境を越えてラオスへ入る。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 列車番号 | 133列車 |
| バンコク発 | 21:25 |
| カムサワート着 | 翌9:05 |
| 所要時間 | 11時間40分 |
| 利用した座席 | 2等エアコン寝台・下段 |
| 運賃 | 874バーツ |
国際夜行列車のチケット予約方法
国境を越える夜行寝台列車と聞くと切符の手配も難しそうだが、タイ国鉄の公式予約サイトD-Ticketからオンラインで購入できる。

バンコクからカムサワートまでの区間を指定し、2等エアコン寝台の下段を選択。クレジットカードで決済すると電子チケットが発行される。
タイ国鉄の公式サイト以外では旅行予約サイト、12Goから購入できる。日本語で列車の時刻や空席、料金を確認できるので予約前にチェックしておきたい。
バンコクから国際夜行列車に乗車
クルンテープ・アピワット中央駅はバンコクの長距離列車が発着する巨大ターミナル。広い駅構内には複数の乗車ゲートがあり、出発案内で列車番号とゲートを確認しておきたい。

133列車の乗車ゲートはB。出発時刻が近づくと乗客が集まり始め、改札前には列ができる。電子チケットを提示して改札を通過し、ホームへ向かう。

ホームに降りると133列車が待っている。国境を越える列車とはいえ、車両はタイ国内の長距離列車と同じもの。特別な出国手続きもなく、バンコクでは通常の列車と同じように乗車する。

車両番号と寝台番号を確認して乗り込む。国境を越えるのは翌朝だが、バンコクから列車一本でラオスへ向かうと思うと出発前から旅の気分が高まる。
2等寝台車の設備と乗り心地
133列車の2等エアコン寝台車は車両の片側に通路があり、反対側に上下2段のベッドが並ぶ構造。21時台の出発ということもあり乗車時にはすでにベッドメイクが済んでいた。


寝台には枕やシーツ、毛布が用意され、カーテンを閉めれば通路からの視線も遮られる。個室ではないものの、カーテンを閉めると通路の気配が遠のき、寝台列車らしい落ち着いた空間になる。
利用したのは下段寝台。窓の外を眺めながら横になり、夜のタイ東北部を走っていく。上段と下段で広さに大きな違いは感じられなかった。
朝6時過ぎには係員がリネン類を回収し寝台を通常の座席へ戻していく。夜が明けた車窓には木々の生い茂る風景が続き、ときおり田園地帯も現れる。

車内には電源コンセントや洗面台、トイレを備える。


ノンカイ駅でのタイ出国審査

翌朝、列車はタイ東北部のノンカイ駅に到着する。ここでは乗客全員がいったん列車を降り、ホーム上でタイの出国審査を受ける。

大きな荷物は車内に置いたままでよく、パスポートを持ってホーム上の出国審査場へ向かう。出国審査は数分で終わるものの、列車にはすぐ戻れない。ホームで20分ほど過ごしようやく再乗車となる。

日本では鉄道で国境を越える機会がない。出国審査を終えて再び列車に乗り込み、いよいよラオスへ向かう。
ノンカイ駅を出発すると列車はタイ・ラオス友好橋へ。メコン川に架かるこの橋は道路と鉄道の併用橋で、列車の通過時には車の通行が止められる。

車窓からラオス国旗が見え、タイからラオスへと国境を越えていく。飛行機では味わえない陸路で隣国に入る瞬間である。
カムサワート駅でのラオス入国審査
友好橋を渡ると列車はラオス領内へ入り、終点のカムサワート駅に到着。バンコクから乗り続けてきた寝台列車ともここでお別れ。乗客は荷物を持って列車を降り、ラオスの入国審査へ向かう。

タイ側とは異なり、ラオスでは入国カードの記入が必要となる。審査場には乗客が集中するため列ができ、入国まで少し時間がかかる。


入国審査では20バーツの支払いを求められた。以前ラオスへ陸路入国した際にも同様の経験があるが、料金の名目について説明はなかった。
入国審査を終えると駅の出口へ。カムサワート駅はビエンチャン中心部から離れており、ここからさらにバスなどで市内へ向かう。
カムサワート駅の両替・SIMカード・鉄道窓口
カムサワート駅の設備は最低限だが、構内には両替所とSIMカードの販売窓口がある。
両替所は1か所。列車の到着後は行列ができており、為替レートの表示もなかったため利用しなかった。両替には用紙への記入も必要。市内にも両替所があるため駅では当面必要な金額だけ交換するのがよさそうだ。

UnitelのSIMカードは30日間30GBで180,000キープなど。料金も手頃だったのでここで購入。eSIMの設定も店員が対応してくれた。

ラオス中国鉄道のチケット販売窓口も設けられている。ただし、列車が発着するのは別のビエンチャン駅。ここから直接乗り継ぐことはできない。

ラオス中国鉄道は希望する時間帯の便が早い段階で満席になりがち。到着後すぐに乗る予定ならここで購入するのではなく事前予約をおすすめする。
詳しくはラオス中国鉄道の予約方法と乗り方で紹介している。
カムサワート駅から市内へのアクセス
入国審査を終えると駅舎内では市内への送迎を勧める客引きが声をかけてくる。ソンテウの料金表では市内の主な行き先が1人100,000キープ。安く移動するなら駅前から出発する路線バスがある。

バスはビエンチャン中心部のタラートサオ・バスターミナル行き。運賃は35,000キープでタイバーツなら60バーツ。乗車券には20,000キープと印刷されているが、その上に35,000キープのスタンプが押されている。


9時50分に出発し、10時15分にタラートサオへ到着。所要時間は25分。国際列車の到着客を待ってから出発するようで、乗り継ぎにも都合がよい。
寝台列車でタイからラオスへ国境越え
バンコクの夜に寝台列車へ乗り込み、翌朝にはラオスへ。寝台で一夜を過ごし、ノンカイ駅で出国審査を受け、メコン川を鉄道橋で渡る。
車窓に広がる朝の景色とともに、タイからラオスへと旅が続いていく。寝台列車で国境を越える11時間40分は移動そのものが旅の目的になる時間だった。


